出版社内容情報
明治維新以降のミルなどの西欧思想の導入によって「自由」という概念が日本に初めてもたらされたという誤謬を正す画期的名著。
内容説明
紫式部も「自由」を知っていた!日本人は西欧近代の開始よりもはるかに早い時期に己の精神的財産の一品目として「自由」を享受し運用していた。「自由」は西欧近代精神の象徴的特産物に非ず。
目次
第1章 「六国史」の時代―紫式部は「自由」を知ってゐたか
第2章 国語の古典としての『白氏文集』―「閑適の自由」の伝来
第3章 「近代」は鎌倉時代に始まる―武士の「自由」と「道理」
第4章 仏教論議の中の「自由」―密教及び禅家に於いて
第5章 乱世の「自由」と法意識―庶民層に浸透してゆく「自由」概念
第6章 キリシタン文献に見る「自由」―異文化の完全な翻訳は可能か
第7章 江戸の知識人と「自由」―禅家・儒者・石門・国学の大人・文人墨客・蘭学者達
第8章 維新期の啓蒙思想家達―忽ち到来する濫用の時代
著者等紹介
小堀桂一郎[コボリケイイチロウ]
昭和8年東京生まれ。昭和33年東京大学文学部独文科卒業。昭和36~38年旧西ドイツ・フランクフルト大学に留学。昭和43年東京大学大学院博士課程修了、文学博士、東京大学助教授。昭和60年同教授、平成6年定年退官。平成16年まで明星大学教授。東京大学名誉教授。比較文化・比較文学、日本思想史専攻。著書に『若き日の森鴎外』(東京大学出版会、昭和44年度読売文学賞)、『宰相鈴木貫太郎』(文藝春秋、文春文庫、昭和58年度大宅壮一ノンフィクション賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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