内容説明
死とは生涯をかけての達成、と書き残した父。「死ぬのによい日」があるのかを問う表題作ほか、歴史の奥行き、食の不思議、人の叡智など、五十五の名篇には短文の魅力があふれている。’09年版ベスト・エッセイ集。
目次
夫たちの怖い秘密(江戸言葉(出久根達郎)
親鸞を書くということ(五木寛之)
ほとびる(平松洋子) ほか)
ペットの扶養控除(祖母とわたし(三浦しをん)
鎮魂歌(木村泰司)
オウムの物まね、犬のおしゃべり(岡ノ谷一夫) ほか)
死ぬのによい日だ(ぼくの大切な友だち(山田太一)
小林秀雄先生と勲章(吉井長三)
山高きが故に…(浜本淳二) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
20
2009年のベストエッセイ集。原田ひ香さん目当てで読んだが、不器用なカップルの会話に原田さんと同様にやきもきしてしまった。印象的だったのは、沼野充義さんの「タイトルは難しい」。「罪と罰」は「犯罪と刑罰」、「カラマーゾフの兄弟」は「カラマーゾフ家の兄弟」が正確との記載を読んで、納得。タイトルの翻訳は難しい一方、一度決まると後世の人達はなかなか変更しづらいのだろう。2021/05/04
ドナルド@灯れ松明の火
16
タイトルからは生き死ににまつわるエッセイかと思ったのだが、副題の通り09年版ベストエッセイで死に関わるものは少なかった。読了してみて玉石混交と言う感じであった。タイトル作は、食で有名な丸元淑生氏の89年のエッセイ「今日は死ぬのにとてもよい日だ」から引用した息子の丸元康生氏の父の死に関するものだった。「ゴム手袋とロマンス」で医療用ゴム手袋の発明を知り、「増穂の小貝」では能登の富来にある湖月館の若いお嫁さんを描いた福永武彦の「貝合せ」が取り持つ縁に感じ入った。隙間時間に読むのにはちょうど良いエッセイ集だった。2013/02/13
椿
6
2009年版ベスト・エッセイ集。ハルオ・シラネさん、矢吹清人さん、笠原浩さん、村田兆治さん、児玉清さんのエッセイが、心に引っ掛かったよ。2015/10/06
Yasuyuki Tomotaki
4
大好きな児玉清さんのエッセイが入っていたのと、どこか清々しいタイトルが気に入り買いました。栄養ジャーナリスト、イラストレーター、主婦など、様々な所で活躍している方たちの感性で書かれているエッセイ集なのですが、平松さんの『ほとびる』という言葉どおり自分の心がふやけ潤うエッセイばかりです。また、今まで興味の無かったかジャンルのエッセイが読める出会いの本でもあります。2012/11/17
brightyellowgreen
3
タイトルは一見強烈だけど、55の名篇。エッセイってすごくいいな2016/08/15