出版社内容情報
『乳と卵』『ヘヴン』で日本文学を刺激し続ける著者の昨今の頭の中身すべて。哲学あり、旅あり、日常あり、回想あり、意見あり、文学あり
内容説明
体、言葉、季節、旅、本、日常など、あれこれ。「乳と卵」「ヘヴン」の川上未映子が放つ、魅惑のエッセイ集。
目次
からだのひみつ
ことばのふしぎ
ありがとうございました
きせつもめぐる
たび、けものたち
ほんよみあれこれ
まいにちいきてる
ときがみえます
著者等紹介
川上未映子[カワカミミエコ]
1976年、大阪府生まれ。「夢みる機械」(2004年)「頭の中と世界の結婚」(2005年)などのアルバムをビクターエンタテインメントより発表。2006年、随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より刊行。2007年、初めての中篇小説「わたくし率イン歯ー、または世界」が第137回芥川賞候補となる。同年、坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2008年、「乳と卵」で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』で中原中也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
152
出版順で言えば、川上未映子の2冊目のエッセイ。何ともガーリーと言うか、おっさんが読むにはあまりに不似合いな装丁に、俺は此のところ狂った様に川上さんの本を読みまくっているのだけど、もしかして俺の様なおっさんは川上さんの読者層に当て嵌まらないのではないか、川上さんもまさか俺の様なおっさんに読まれる事など想定していなかったのではないか、俺って何か変?というか変態?という不安が突如沸き起こり、その不安はページを捲る毎にますます深まって。しかし此の本を読んでいるのも何かの縁。いちフアンとして勝手に満足して。 2025/01/15
しゅう
105
川上さんの文章はいつ読んでも美しく魅力に富んでいる。それは小説であってもエッセイであっても変わらない。今回刻まれたのは太宰治のこと。東京で初めて尋ねた場所は三鷹の禅林寺だそうで、全集も筑摩と昭和の真んなかに出たのと二種類所持しているのだそう。そして、太宰の初めて読んだ小説、『待つ』について綴られている。その文章に触れて私も早速読んでみた次第だ。素敵な本を教えてくれてありがとう、川上さん。話変わって、エレベーターの中で甥っ子にお尻をペロンと見せて笑いを取っていた川上さん。一階でモニタリングされていたという⇒2025/11/05
風眠
60
川上未映子という人にそそられる。小説よりもエッセイのほうが、その「そそられ」感が強い。ものの見かた、感じ方、とりとめのない話をしているようでいて、後からズシンとくるような感じ。「読んだあとは、どこか世界が変わって見える。」という帯のキャプションが、ぴったりそのまんまだとも思う。きっと私も感じたことがある感情や、現象や、そのほかいろいろひっくるめて、言語化するとこういう感じだなぁ・・・たぶん、って確認できるようで。「選択という言葉はわたしに天気を連れてきます。」の一文を読んだ瞬間、うわぁ!ってなった。2013/12/27
mizuki
43
川上未映子さんのエッセイを読むのは初めて。一文が長くて最初は読みにくいと感じましたが、慣れると見事に入ってくる。ゆる〜い雰囲気なのに、内容の濃いエッセイでした! 言葉の使い方や、単語の組み合わせを大切にしているお話を聞くと、さすが作家さんだなぁと関心しますが、日常のお話はどこにでもいる女の人って感じで馴染みやすさを感じさせてくれます。お気に入りさんに『きみは赤ちゃん』を勧められたので、次はそちらを読んでみたいと思います♡2016/04/08
ミナコ@灯れ松明の火
33
この人の頭の中は一体どうなってるんだ、とつくづく思う。自分にはない感性の塊のような人だから、書く文章は時として読みづらく、頭に入ってきにくい。けれど、その異質感がとても刺激的で楽しい。原色にきらきら輝く宝石のような。言葉の気持ちが分かる人。ずっとそのきらきらを見続けていきたい。2011/09/19




