裁判官が見た光市母子殺害事件―天網恢恢 疎にして逃さず

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163710709
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0095

出版社内容情報

少年への死刑を忌避したがる「司法の壁」はなぜ崩壊したか。
加害者側でも被害者側でもなく、冷静な第三者としての「裁判官の目」で鋭く見抜く、裁判当事者たちの詭弁の数々。門田隆将氏激賞!

内容説明

「永山基準」「相場主義」「前例尊重」で死刑を忌避していた「司法の壁」はなぜ崩壊したのか。現場の裁判官が喪失した「裁判官の公平な目」で改めて裁く。

目次

第1章 舞台の準備
第2章 はじめは自白事件だった
第3章 振り向けば否認事件
第4章 最高裁の宿題
第5章 差戻後の別世界
第6章 やっぱり死刑だった
第7章 岩をも貫く執念

著者等紹介

井上薫[イノウエカオル]
1954年東京生まれ。東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了。1983年独学で司法試験に合格。1986年判事補を経て1996年判事任官。2006年横浜地裁判事で退官。2007年弁護士登録(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mimm

6
元裁判官がその経験から中立な目線でこの裁判を見、解説を加えた一冊。 出版当時まだ刑は確定されていなかったけど最終的な流れはできていました。裁判員制度も導入間近の時期だったことによりその点も踏まえて書かれています。「不謹慎な手紙」や新弁護団による「荒唐無稽」なストーリーは中立目線で冷静に書かれていても腹が立ちます。これと戦ってきた被害者の方々は本当に辛かったと思います。またいかに被害者がないがしろにされてきたか犯人のための裁判所だったのかそしてこの事件を切欠に被害者保護に向けて動き出したのかが分かりました。2012/10/30

ランフランコ

4
全く反省していない被告に激しい怒りを覚える。死刑やむ無しだ。また弁護士は仕事とはいえ、あまりにもバカげた理論をこじつけて罪を軽くしようなどというのはこの事件では通用しなかった。逆に世論の怒りに火を着けることとなり、一気に死刑判決に加速していった。この事件の判決はその後の事件の判決に大きな影響を与えているように思う。本村さんの怒りがこれほどの行動と態度を貫かせたのだろう。その勇気には感服する。2016/08/14

ピエール

3
先日ニュースになっていたので借りて読んでみました。あの奇想天外な無罪主張を法律の知識が豊富で中立の立場の裁判官が見るとどう思われるかを書いたもの。結局は弁護団のやり方は、よろしくないという論調で終わっているが、実際の所どうなのでしょう?弁護人からすれば、いかなる手段を使おうとも被告を救い、減刑するのが目的ですから、どんな突飛な言い訳であろうと考えるでしょう。米国の小説でよくある、弁護士は途中で被告が犯人だと強く確信しても弁護を続けなければならない、というポリシーには矛盾していないと思います。2013/05/13

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

3
弁護士さんの書いたものも読んでみたいと思っているが、まずはこの本を先に読んだ。元裁判官が、公平な立場で自分の考えを分かりやすく述べている。極端な厳罰主義に偏らず、それでいながら弁護団の手法を批判するあたり、かなり説得力があると思う。幾ら犯罪者にも人権があり、社会の敵になっても被告人の弁護はしなければならないという今枝弁護士の主張は全面的に認めながらも、彼ら弁護団の手法を批判する姿勢には納得がゆくものがある。2012/03/22

水沢晶

2
とても興味深く読んだ。日本の司法(のほんの一端)について素人にも判りやすく噛み砕いて書かれていたことが印象に強く残った。と言っても読解力の低さ故かいちどくではのみ込めず、1行読んでは2〜3行戻るみたいなことを繰り返しつつだったけれど、それでも最後まで興味は尽きず。事件そのものについても、いろんな側面が見えた。2020/01/11

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