内容説明
ふと訪れたデモと軍政が対峙する国で、作家の心を強く捉えたのは、不思議な“懐かしさ”だった。それは、わたしたちアジア人の「ふるさと」なのかもしれない。
目次
たそがれ・かわたれ
ケの日ハレの日
女・少女
働く人々と考える僧たち
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年、東京生まれ。早稲田大学社会科学部中退後、広告代理店勤務を経て、1988年「幸福な朝食」が第一回日本推理サスペンス大賞で優秀作に選ばれデビュー。1996年「凍える牙」で第一一五回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
60
旅行記 タナカ、という木をすりおろして顔に塗るのがクリーム&ファンデーション代わり。肌によさそう。 ミャンマー僧侶は音楽禁止らしく、ビルマの竪琴、はありえない 残念2022/09/17
Shoji
56
旅情を掻き立てられるような内容ではありません。 いわんや小説でもありません。 著者がミャンマーを旅して感じたことをストレートに綴っています。 考えさせられる一冊でした。 ミャンマーと日本とどちらが豊かで幸せな国なんだろう。 つくづくと思い巡らせているが答えは出ていない。出そうにもない。2016/09/07
野のこ
36
「どこにいっても人々はひたすら生きていた」懐かしいようなでも新鮮な気持ちになるミャンマー。色の濃い写真や、情景が目に浮かぶような文章からは土地の臨場感がいっぱいに感じました。「いっきに時をさかのぼって異なる時代へ流れていきそう」素晴らしい景色、ミャンマーの人たちとの懐に染みる出会い、生活の様子がたくさんでした。特に最後の青年の僧侶の言葉は強く胸に響きました。案内の女の子、頭に巻く民族衣装の布のなかはバスタオルに私も風呂上がりを想像してしまった。可愛らしい。続く2017/11/03
これでいいのだ@ヘタレ女王
22
著者のミャンマー旅行記 ミャンマーと言う国、そこに暮らす人々の生活について ちょっと俯瞰したように綴られている。写真も多く 読みやすかった2015/05/23
ミナコ@灯れ松明の火
18
一度訪れただけで虜になってしまったミャンマー。「貧しい」ということが何度も書かれ、あたかもそれが不幸であるかのように表現されていることが少し気にはなったけれど、あの風景や空気の描写には息を飲んだ。軍事政権下であろうが世界から「貧困の国」という目で見られようが、ふつうの人たちのふつうの暮らしが当たり前に存在している。物が豊かになればなるほど実は不幸なのでは?と自然に思えたあの国へ、また行きたい。2011/04/23