出版社内容情報
今の子供は忙しい? 「自分さがし」に「癒し系」? 活力を喪った若者には、日本人の誇りと底力を示さねば。これぞ愛子節の真骨頂!
近所の秋祭り、だまりこくってお神輿を担いできた半病人のような子供たち。「不良」という言葉は死語になり、「迷惑をかけなければ何をしてもいい」という嘆かわしい風潮が蔓延し……。いまこそ、戦後の荒廃を生き抜いた日本人の活力を、誇りをもって若い世代に伝えるべきではないか。「自分探し」に「癒し系」、孫世代の風俗に辟易しつつ正論を繰り出すも、「おばあちゃんにもいろいろあるのね」と孫には言われ……。
内容説明
孫への愛情あふれる日々をユーモラスに描く最新エッセイ集。
目次
1 わが孫育て(孫との攻防戦;テレビの見方、楽しみ方;おばあちゃんいろいろ ほか)
2 じぐざぐ日記(真剣ラーメン;昔を今にかえすよしなく;年下のおふくろ ほか)
3 国を愛してどこが悪い(日本人の底力;昔のオリンピック;叱る者の孤独 ほか)
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪に生れる。甲南高女卒業。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞を、昭和54年に「幸福の絵」で第18回女流文学賞を受賞。ユーモア溢れる世相諷刺と、人生の哀歓を描く小説およびエッセイは多くの読者の心をつかむ。平成12年、「血脈」の完成によって、第48回菊池寛賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
25
★★★☆☆ 佐藤愛子さんの小説は読んだことがないが、エッセイに関していえばユーモアたっぷりで非常に面白かった。おばあさんが最近の社会、流行にグチグチ言うといった感じのエッセイなのだが、厭味ったらしい感じは微塵もない。意見に同意するかは別として、爽快さはいっぱいだ。タイトルに「孫育て」とあるが、優しいおばあちゃんの姿は本書にはない。孫にも容赦ない本気のおばあちゃんの姿がある。孫もまた怯えるわけもなくおばあちゃんに容赦ないので、読んでいて両者とも非常に痛快だった。2017/06/12
風花 kazahana
8
ばぁばなりたての私は 孫話が読めると思いワクワクした。でも ちっちゃい孫ちゃんとの面白話は すぐに終わってしまった😥それが 残念!大正生まれの作者が 今を切る。嘆いたり怒ったり諦めたり呆れたりする。さすがに私とは意見が合わないところがある。でも そんなことは愛子さんは 気にしないだろう。書きたいことを書いているだけだから。ところで 昭和生まれの私も 自分がしてきた頃の子育てと大きく変わっていることに ぶつぶつ言いたいことがある。それを 佐藤愛子さんのようにズバズバと面白く言っちゃえたらいいのになーと。2021/04/20
ジュースの素
8
知人に借りた本。何よりもブレない心構えがよろしい。孫だとついつい甘やかしたりナアナアになったりしがちだが、いつも愛子さんは批判的なのが小気味よい。それでいて、遠くからちゃんと大きな気持ちで客観的に見ている。 佐藤愛子の戦いの日々の本を読んでみたい。2017/09/06
ひさか
2
1997~2006のエッセィです。思わずあははははと笑ってしまいます。愛子節は、面白く痛快です。2012/09/17
よっしい~
1
ちょっとリラックスしたくて手にとった。 怒れるおばあちゃん!十数年前で再読文もあるが、今でも新鮮でご意見に全く共感し、楽しく笑ってしまう。 孫を真剣に一人前扱いし、型破りとも思える対応のお陰から、可愛らしく思慮深く成長しているだろうなぁ。2016/10/22