内容説明
中国当局に売血をすすめられ、エイズに感染した農民が治療も受けられず次々に死んでいく大惨事を描く、北南フェスティバル・メディア賞受賞作品。「どうせおまえたちはみんな死ぬんだ」万博、オリンピック、宇宙開発に沸く発展の陰で貧困と病苦にあえぎながら無視され、蔑まれる農民の声、顔、名前を刻み、中国共産党政権の棄民政策を告発する。
目次
第1章 “エイズ村”にて
第2章 「正義が勝つまで死ぬわけにはいかない」
第3章 混沌とした医療現場
第4章 スキャンダルの発生
第5章 “エイズ世代”
第6章 ウイルスが他のウイルスを隠す
第7章 中国の時代
著者等紹介
アスキ,ピエール[アスキ,ピエール][Haski,Pierre]
日刊紙『リベラシオン』記者。パリのジャーナリスト専門学校(CFJ)卒業後、フランス・プレス通信社の南アフリカ特派員となる。1981年から『リベラシオン』の記者としてアフリカ、ヨーロッパ、外交担当。その後、エルサレム特派員、外信部長を経て、2000年8月から北京特派員
山本知子[ヤマモトトモコ]
早稲田大学政治経済学部卒。東京大学新聞研究所研究課程修了。ノンフィクションを中心に、児童書から医学関連書まで幅広いジャンルを手がける仏語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Arte
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生計の手段として売血を推奨された地方で、多くの人間がHIVに感染し、それを政府が隠蔽して対策を講じず、勿論助けたり訴えたりする人は弾圧するため、治療どころか解熱鎮痛剤さえ手に入らない状況で多くの人々が亡くなっているよ、という話。とにかくもう、中国政府がどうにかならないものか…。2015/09/05
デナーダ
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重すぎる2012/12/02
yuri9976
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中国の貧しい農村部でエイズが蔓延しているという信じがたい事実。その理由は合法及び非合法の血液収集センターで血液買い取り業者にとって不要な赤血球・白血球・血小板が【Rhタイプ別に混ぜ合わされた上で】売血者に注射されていたから。しかも血液を戻すのは健康に良いという触れ込みで、貧しい売血者にお金を支払わせていた。こんな腹立たしいことがあって良い訳がない。久しぶりに本を読んでいて震えるほど腹が立った。少しでも興味を持った人がいたら、是非読んでみて頂きたいです。今年は国境なき医師団に寄付するわー。2012/07/31