内容説明
「ワイン産地が川沿いにあるのは何故?」「セベロクリリスクってどこの町?」「江戸時代、ふんどしがリサイクルされていた?」初めて知る、こんな話、あんな話の数々。人生を豊かにしてくれる傑作随筆六十編。
目次
片手の音(アニーの恋人(小池真理子)
点字文学百選(井出孫六) ほか)
四十手前は青春のホスピス(せいの悩み(奥本大三郎)
初孫文吉(紺野美沙子) ほか)
マッカーサー元帥はマザコン?(空巣と犬(夏樹静子)
壷(海野泰男) ほか)
「バカ」を愛す(漱石と脳、そしてストレス(立川昭二)
朝、鏡に映った自分の顔(森詠) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
18
井出孫六さんの「点字文学百選」が載っています。確か井出さんの「秩父困民党蜂起録」が直木賞を受賞したのは、私の大学生の時だったと思います。その後、秩父のフィールドワークをしたことがありました。さて、このエッセイを読むと、東京高田馬場の日本点字図書館に、館長の本間一夫さんを訪ねた時の事や現在名古屋の点字図書館長の近藤豊彦さんの求めに応じて、点字百点の近代文学の選定と解説を手掛けたことが書かれている。夏目漱石「坊ちゃん」、島崎藤村「千曲川のスケッチ」、志賀直哉「小僧の神様」、芥川龍之介「蜜柑」が選ばれています。
山猫
10
山メさんから。夏目鏡子とその妹たちと母についての随筆が抜群に面白かった。なんだか、斎藤輝子女史みたいで、「掛け値なしのお嬢様ってのはこういうもんか」と。別の上流階級家庭である 賭け事だらけの武家・細川家と一切しない公家・近衛家の対比も興味深い。そして、昭和の上流階級マダム・シズコ・ナツキが二度も空き巣に入られてたのも意外なら、愛犬を殺されていたことも意外かつ痛ましかった。 バッタとイナゴ、区別がつかない「坊っちゃん」みたいな町場育ちが訳者だったらどうなってたやら(笑)2024/09/14