内容説明
すこやかな「好奇心」と鋭敏な「感性」。読者を心地よく耕す、豊かな北村ワールド。
目次
「朝食」プレヴェール/内藤濯訳・「朝の食事」プレヴェール/小笠原豊樹訳・「朝の食事」プレヴェール/平田文也訳
「朝の食事」プレヴェール/北川冬彦訳・「朝の食事」プレヴェール/大岡信訳
「手回しオルガン」プレヴェール/大岡信訳
「おくじょう/中学二年、ふゆ」他天野慶
「白木の位牌」「しっぽを捨てる」「非」木村信子
「非」「ひつじ」「花火」「真珠売り」木村信子
「旅商人の妻のうた」李白/奥平卓訳
「アリカンテ」プレヴェール/村松定史訳
「あしひきの」柿本人麻呂他/佐佐木幸綱訳・「五月闇」藤原実方
「花の色は」小野小町/橋本治訳〔ほか〕
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、84年、創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。89年、「空飛ぶ馬」でデビュー。91年「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuki
27
あるものについて読んだり考えたりしている時に、たまたまそれに関するところに足を運んだり、関連本に出会ったりすることがある。そういう現象が「待ち伏せ」なのだ。大人だからこそスッと入ってくる国語の授業。訳文の話ではかつて中学の英語の授業でどんな登場人物でも「私は◯◯です」みたいな画一的な文章に訳することにちょっとモヤモヤしてたことを思い出し、漱石についての誤解の記述をほどくくだりは「太宰治の辞書」を連想。ほんのちょっとだけ、ラーメンズに触れている記述でニコニコ。2018/03/15
タカギ
25
文庫が手に入らず、図書館本。「続」だけど内容的には問題ないようなので、読んでしまう。詩集や句集って、そもそも数を読んでいないうえに、なんとなーく面白みを感じることはできるけど、何が面白いのかとか、考えたことはない。そんな読者に北村薫先生が詩歌の鑑賞の仕方を教えてくれる。知っている詩はひとつもなかったけれど、丸飲みするだけで楽しかった。外国の詩は訳者によって全然違うことも面白かった。「続」じゃないほうも読むぞ。2020/06/25
佐島楓
16
翻訳で語感が変わってしまうというところでは表現者として言葉を本当に大事になさっていらっしゃる北村先生の感性を感じられた。木村信子という詩人にもこの本で出会うことができた。このシリーズは私にとってとても大切です。2012/09/19
myaown
5
プレヴェールの朝の食事を例に引いて展開される翻訳された文章は翻訳者オリジナルのものという解説が実に解り易い。原書がシンプルな文章なので尚の事翻訳者の付け加えた部分や削ぎ落とした部分が際立って伝わる。これは翻訳されたものを比較してみるからこその発見で著者がそのことを楽しんでいることがよく伝わる。そういう部分に思わず円紫さんの欠片を見出しニンマリしてしまう。自分は作家読みをする方だがその人自身の作品をずっと追っていくことによって見えて来るものは確かにある。2016/09/30
ゆり
1
再読。海外詩の翻訳の差異に考えさせられる。木村信子さんの詩は印象深い。漢詩をもっと取り上げてくださると嬉しい。2016/01/23
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- 和書
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