内容説明
テレビとケータイが日本語に与えた深刻な影響とは?昭和天皇の「ア、ソウ」と近代日本が背負った重荷!「猫被りの香具師のモモンガーの…」漱石の悪態づくしから学ぶ。さらに鏡花、折口から歌舞伎に現代思想まで、刺戟に満ちた講義、対談が満載。
目次
日本語があぶない
ゴシップ的日本語論
文学は言葉で作る
折口学的日本文学史の成立
泉鏡花の位置
人間の時間といふものを
男と女が合作する小説―対談・瀬戸内寂聴・丸谷才一
新しい歌舞伎の時代―対談・中村勘九郎・丸谷才一
思想書を読もう―座談会・木田元・三浦雅士・丸谷才一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里馬
6
ううううん、綺麗な、美しい日本語を大切にしたい。という考えに共感する一方で、生き物である言語をコントロールすることのむつかしさを考えさせられる。丸谷さんに影響されて矯正される人も多いだろうけど、日本語全体でみるとなかなか僅少なのではないか。まあ、そうだとしても、『なにもしない』ってのも嫌なんですけど。2013/05/27
くらげ
1
旧仮名遣いで読みにくいはずなのに、丸谷さんの博識に裏打ちされた安心感からかするする読めた。大筋とはあまり関係ないけれど、文芸の伝統とか、現代思想に関する鼎談を読みながら、物事は玉突き(と敢えて日本語)のようにつながっているんだな、と思った。2013/08/27
koala-n
1
前半は日本語論・文学論、後半は三つの対談を収めたエッセイ集。この著者のいつもの感じのエッセイといえばそうだが、もともと語りをテープから起こしたものらしいので、すらすらと読める。主張には何ヶ所か異議もあるが(明治以前の人間はしゃべるのが遅かったとか…実際は相当な早口だったらしい)、概ね首肯できる。その他、タイトル通りのゴシップというかトリビアルな話題も多く楽しませてくれる。個人的には瀬戸内寂聴との源氏物語を語り合った対談が印象深い。ほとんど放談だが、瀬戸内寂聴が上手く著者を誘導しているさまが中々微笑ましい。2013/04/29
悠々人
1
知的快楽を呼び起こす本です。特に、瀬戸内寂聴さんとの対談が 非常に楽しかった。早速、『輝く日の宮』を読まないとね。 本棚に長い間眠っています。2012/11/05
sohara
1
講演・対談集なので気楽に読めて分かりやすい。いつもながら丸谷先生には啓蒙されます。平行して漱石の『草枕』を読んでいたので、「漢語の場合には意味はわかっても語感がわかることはすくないんぢゃないでせうか」という意見に全く同感。小林秀雄については、私も昔ボーっとなったクチですが、彼の文体が明治憲法のように、「なんだか凄い!」が「何を言ってるのかわからない」とか、ハイデガーと「教祖的な性格が共通してる」等々、ばっさり切っていて笑ってしまいました。最後の哲学談義におけるわかりやすい哲学書を列記に感謝。2012/07/11