映画覚書〈vol.1〉

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映画覚書〈vol.1〉

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  • サイズ B6判/ページ数 509,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163659206
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0095

内容説明

タランティーノからゴダール、スピルバーグ、北野武、黒沢清etc.を同一の地平で論じ尽くす新世紀の映画批評。デビュー10周年にして初の映画論集。

目次

映画覚書1 二〇〇二‐二〇〇四(よちよち歩きの彷徨―アッバス・キアロスタミ『ABCアフリカ』;可能なる交流―蔡明亮『ふたりの時、ふたりの時間』 ほか)
徹底討論1 阿部和重×中原昌也「アメリカ映画―テロ以前、テロ以後」
映画覚書2 一九九九‐二〇〇一(緻密な狂騒―アレクセイ・ゲルマン『フルスタリヨフ、車を!』;「リアリズム」について―『勝手にしやがれ』と『小さな兵隊』 ほか)
徹底討論2 阿部和重×蓮実重彦「アメリカ映画の知性を擁護する」
映画覚書3 一九九九‐二〇〇二(二つの「真実」はいかにして繋ぎとめられたのか―スティーヴン・ザイリアン『ボビー・フィッシャーを探して』;カサヴェテスのメタフィクション的試み―『オープニング・ナイト』 ほか)

著者等紹介

阿部和重[アベカズシゲ]
1968年、山形県生まれ。90年、日本映画学校を卒業。94年に「アメリカの夜」で群像新人文学賞を受賞し、小説家としてデビューした。97年に発表した「インディヴィジュアル・プロジェクション」では、著者の意図を超えて「シブヤ系文学」「J文学」などの造語を生み出した。99年、「無情の世界」で野間文芸新人賞を受賞。03年に上梓した長編「シンセミア」では同年度の文芸ジャーナリズムの話題をさらった
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中玉ケビン砂糖

60
もう15年以上前の記録にすぎないわけだが、これで映画評論とは果たしてナマモノなのか、という疑念が沸きあがる─ハリポタをくそみそに貶していたり、『サイン』に一定の評価を与えている点等を考えてみると、阿部は今も同じような見解を持っているのか─そしてこれらの著述が9.11に前後しているのにも何かバイアスがかかっているのかもしれない─いずれにせよ、おそらく阿部が今これを読み直したとして、「あの時はアホな事言ってたなあ」などと思ったら、映画評論における批評的強度とは極めて危ういものであると言わざるを得ない気がする─2016/07/10

踊る猫

20
なかなか難しい。阿部和重と言えば当然シネフィルという話になるので、期待を膨らませて読んだのだけど……阿部氏は蓮實フリークなのかもしれないが、蓮實氏の『映画時評』と比べると良い意味でも悪い意味でも「香具師」の香りがしない。スマートに纏まっているのだけど、その分発想のぶっ飛び方において大人しい、芸がない生真面目なものとして仕上がっているように思う。だから蓮實氏がテレンス・マリックに示す怒りのようなものがない。それをどう評価するかが問われて来るところだろう。著者の引き出しの多さ、遊び心を楽しみたかったのだけれど2018/03/14

giant_nobita

7
ロベール・ブレッソンの著書をオマージュしたと思しきタイトルだが、書籍としての体裁はだいぶ異なる。500ページ超の本書は、時期や初出媒体により3部に分けられた映画評と、2回の対談から構成されている。映画評は時系列が降順に配置されているのに対談は昇順になっているのが意味深長だが、はしがきもあとがきもないため、著者の意図はわからない。この体裁の問題点は、本書で語られる内容とも関わる。つまり90年代以降のハリウッド映画における物語の構築力の退歩を問題視する著者が、書物の構成には注意を払っていないというわけである。2019/02/10

白黒豆黄昏ぞんび

5
ここに紹介されている映画全部観たくなった。2011/11/02

あなた

3
カサヴェテスやオリヴェイラやブレッソンやキアロスタミの名前が、ルーカスとならんで日常的に出てくるのは映画ファンにとってはうれしい限りだ。カサヴェテスの外部を志向しない執拗な視線という強度について書いてあるけれど、確かにわたしがカサヴェテスをみて驚いたのはその視線の粘っこさだ。しかも、アンゲロプロスやタルコフスキーのように沈静した歴史的粘度ではなく、現場的な即時性をもった粘り腰の視線である。裁かるるジャンヌへ向けたあのねばりある視線が、アメリカの家庭において差異をもちながらも回帰している2009/08/19

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