内容説明
いやはや三十一歳の、離婚したばかりで仕事もお金もほとんどなかった私に、こっそり教えにいってあげたいですよ。そのうち吉川英治文学新人賞と直木賞をとれるよ。三十九歳には再婚までしちゃうよ。でも三十四歳のときにイタい失恋をするよ。直木賞とったからって浮かれていると、うつ病で入院することになるよ。言われたところで信じないに違いないが、三十一歳の私。激動の10年の中で様々な思いを綴ったエッセイ集。
目次
花には水を。私に恋を。(“恋愛スイッチ”は常にオンにして;「一緒のご飯」の気楽さは恋の堕落? ほか)
今宵の枕友だち(もう、暇はつぶせない―『ひまのつぶしかた』;ガッチリ買いましょう―『これいただくわ』 ほか)
こまかいお仕事(ワープロ時代)1993~1997(夏の日が終わって;もう君を離さない ほか)
こまかいお仕事(パソコン導入後)1998~2003(日常のわたし;いやなものはいや ほか)
著者等紹介
山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年横浜市生まれ。神奈川大学を卒業後、OL生活を経て作家となる。99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞を受賞。2001年「プラナリア」で第124回直木賞を受賞。何気ない日常から時代を切りとる確かな観察眼が、若い世代の支持を集める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほのぼの
48
山本文緒さん、31歳からの【激動の10年】の中、さまざまな媒体に【書き殴った】エッセイを【ちまちま集めてまとめて再利用】した作品。(【】は本文より。)山本さんは【ペットボトルの再利用のごとく】の【リサイクル本といえるでしょう。】なんて「まえがき」で書いていらっしゃいますが、いやいや、読者としては過去の小作品をこういう形で集結してもらえてとてもありがたい。そして、とても楽しかった。「あの小説はこういう状況で書かれたのか…」なんて事が分かってくると、また小説を読み返したくなる。2025/03/04
とこっぷり
33
【改めて山本作品を追いかける追悼】31歳から10年間、あちこちで書かれたエッセイをまとめられたもの。とにかく感性が好き。もっとたくさんの作品を読みたかったなぁとしみじみ思った。そしてやっぱり作家になるべくして生まれてきた人だったとこのエッセイたちを読んで思った。2023/09/14
あつひめ
28
バッサバッサと恋愛ボケしている老若男女をぶった切る。恋だけじゃない。夫婦も家族も・・・遠慮なくぶった切る。でも・・・言葉の裏側に経験を踏まえたあったかみがある。頷いたり噴出したり・・・読んでいる間中大忙しだった。これは、こっそり一人になって読むべきものかもしれない。2011/01/28
ayumii
22
人生の転機がいろいろありそうな30代。結婚出産をどうするか、仕事はどうなっているか、親もだんだん年をとってくるし、友達もいろいろ転機を迎えて離れていったりする。これからの人生をどうしていくか、幾つもの決断を迫られることになる。山本文緒さんがそんな30代に書いた文章を集めた本書は、とても貴重で興味深い。直木賞を受賞された時の文章では、もらい泣きしてしまいました。2023/01/19
湯な
20
頑張る私偉い。偉すぎる。 という言葉が心に残りました。 人からの評価を気にしないで自分で自分を思い切りポジティブに評価できる山本文緒が好きになりました。2016/06/22
-
- 電子書籍
- 世話やきキツネの仙狐さん【タテスク】 …
-
- 電子書籍
- 男爵令嬢のまったり節約ごはん2 レジー…