内容説明
旅の不思議を語り、遙かな国、見果てぬ街へいざなう珠玉の10篇。
目次
視えない共和国
ロシアを望む岬
六十セントの豪華な航海
キャパのパリ、あるいは長い一日
記憶の樽
イルカ記
墜落記
メコンの光
ヴェトナム縦断
雨のハノイ
黄金の島―ナイン・メモリーズ4
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947(昭和22)年に東京で生まれる。70年に横浜国立大学経済学部を卒業。入社した会社を一日で退社したあと、若い自衛官たちの実像を鮮やかに描いた処女作「防人のブルース」でいきなりフリーランスのライターとしてデビューし、注目をあびる。以後、ジャンルとして確立していなかったノンフィクションの世界で、テーマやスタイルにおいて絶えず先駆的な実験と冒険を試みつつノンフィクションの新たな可能性を拡げる数々の傑作を世に送りだし、多くの読者を魅了しつづけている。79年に『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年に『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年に『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年に『深夜特急第三便』でJTB紀行文学大賞などを受賞した
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感想・レビュー
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ポン
10
『ヴェトナム縦断』他。やはり沢木さんの紀行文は、丁寧で、自分も経験したくなります。いきなり現地へ行くのは難しいので、まずは近くの店で、フォーを食べてみようと思います。2020/02/17
ジュースの素
6
沢木氏の旅に関する短編を集めた本で 単行本2冊分の分厚さがある。この中にあるものがほとんど読んでいるので 冒頭の「視えない共和国」のみを読む事に。与那国島の事を書いたものだが、沖縄本島よりも遥かに近い台湾との交流が昔からあった。それで港は非常に栄えた時代があった。読み進むと、日本であるのにまるで生活ルールが異なっているのに驚く。たった2週間の滞在でよくもここまで深いルポが書けるもんだと改めて沢木氏の筆力に感じ入る。2016/06/20
けん
5
★3.52020/05/12
ショア
4
沢木耕太郎氏の旅物セット。深夜特急はここからはじまった感がある。何回も読む2021/06/16
のうみそしる
4
やはり著者の若い頃のほうが感性が鋭く、印象に残る文章だと思う。特にベトナム編では、細かいことに固執したり、「旅のスタイルを変えるのは早すぎますよ」と言っていたのでは、とか、なんやかやドラマティックなこじつけが多い。面白く読んだけども。北方領土問題の裏の面や、与那国の歴史を知ることができて良かった。「生きるために必要なものはほんのわずかなのだということがわかってくる。旅から帰ると誰もがすぐにそのことを忘れてしまう。だが、それはそれでいいのだ。旅先で覚えたその痛切な思いは、決して消え去ることはない」2019/01/29