出版社内容情報
北国の小藩・海坂、清流と小立に囲まれた組屋敷、一人の少年藩士が成長する姿を描く「蝉しぐれ」と、朋友相喰む熾烈な覇権劇「風の果て」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モトラッド@積読本消化中
34
★★★★★離れ小島にひとり残されるとしたら、私は、藤沢周平全集の、少し迷って、この第二十巻を持って行きたい。武家小説の傑作『風の果て』と、藤沢文学の金字塔『蟬しぐれ』の二篇を、収録してあるのだから。蛇足ながら、藤沢先生がご存命なら、伺ってみたかったのが、漢字の読みの難しさ。『風の果て』の「太蔵が原」、『蟬しぐれ』の「文四郎」、キーワードであり、また、主人公の名前だが、ルビがない。ググったり、映画を観て、ようやく分かりました。(レビューになってなくて失礼)2021/07/01
たつや
6
藤沢周平作品は焦らずゆっくり読みたい。まだまだ、麓をさまよい中だが、いずれは全作品読めたら良いな〜と、夢見てます。本書も各シーンがまるで映画の様に描写が細かく、山本周五郎とはまた違う、人間模様の描き方が素晴しい。2025/01/06
kumonoyukue
0
長編,「風の果て」と「蝉しぐれ」を収録。どちらも代表作と思える傑作だが,自分の年齢では「風の果て」をとるかな?筆頭家老が人生を振り返りながら,過去と現在を行き来しながら「果し合い」に臨む構成が素晴らしい。不覚にも涙が・・・。映像化できないかな?2020/02/12