出版社内容情報
幕末の英傑・坂本竜馬の生涯を描き、驚異的なベストセラーを続けてきた司馬文学の原点。活字も大きくなり読みやすくなって再登場
内容説明
黒船の出現以来、猛然と湧き上ってきた勤王攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は、次第に激化の道をたどっていった。幕末の風雲児・坂本竜馬の生涯。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロマンチッカーnao
33
休業中、掃除してたら押し入れの中から出てきた本。何気なく読んでいたら、やはりおもしろい。寺田屋事件の薩摩藩人たちの男振り。現代人からするとこれが同じ日本人かと思う。脱藩した竜馬が、吉田東洋暗殺の容疑で土佐藩の下横目になった岩崎弥太郎に、追いかけられたときの言葉、男なら俺の剣にかかって死ぬより、日本のために命を捨てんかい。勝海舟が自分を殺しに来た千葉重太郎に向かって、切るならもっと刀を近くにおいて置かないと切れないよ。まあ、切る前にとにかく話だけでも聞きなさい。男ってここまでかっこよくなれるのか。2020/05/26
ラスカル
20
第2巻 風雲篇。勝海舟に出会い、海軍学校創設に紛争し、おりょうに会ったところ。まだ序盤です。幕末の志士たちとは違う視線で倒幕を考える竜馬。勝に会う前、軍艦操練所を見に行って、門閥主義の壁に阻まれ、「おれは、ここへ入れぬのじゃ」と絶望していたシーンが胸につまされた。が、勝に連れて行ってもらえて思いを遂げることになる。いいなぁ。勝も竜馬も度量が大きく気持ちいい。2020/12/07
あきあかね
16
この風雲篇では徐々にではあるが、土佐の一郷士に過ぎない竜馬が歴史の表舞台へと上がる足がかりが築かれる。竜馬にとって狭すぎた土佐藩からの脱藩であったり、幕臣でありながら竜馬の想いと共鳴する勝海舟との出会いであったり、運命の糸が竜馬を導いてゆく。 攘夷すなわち勤王、開国すなわち佐幕という見方がなされる中、竜馬は開国でありながら、倒幕を目指し、船を使った海運立国を夢見る。四国山地によって他の地域から隔絶された土佐という地が、限りなく広がる眼前の海原へと竜馬の心を向かわせていったのだろうか。⇒2023/02/03
秋野もみじ
16
勝海舟とおりょうさんが登場。会う人会う人を味方にしていく竜馬って凄い!東洋暗殺や寺田屋事件や生麦事件などは『酔って候』も合わせて読むと面白いかも。3巻も楽しみです!それにしても、この時代の衛生面の意識が現代人の感覚からすると、臭い!痒い!!お風呂入って!!になる(笑)温泉がある地域は別として、お湯沸かすことが大変なんだから仕方ないけど、この辺は現代人であることをかなり幸せに思う。2015/05/15
はと
15
勝海舟に出会い、竜馬の人生が大きく動き出す。海軍学校設立のために奔走しはじめたところまで。「人間の毒性ばかりをこせこせと見るのは小人のすることで、大人はすべからく相手の効能の面を見ぬかねばならん」とは、名言(219頁)。日本史の勉強にはなるけれど、おもしろいかというと、微妙。2015/06/14