出版社内容情報
明治初年、新政府の内部は藩閥の利害、思惑が入りくみ、険悪な雰囲気があった。西郷隆盛、大久保利通を中心に、西南の役までの確執を雄大な構想で描いた大河小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パラオ・スパニッシュフライ
9
いきなり明治初期の話に挑む人にとってはハードルが高い作品。幕末が好きで、いろんな人物のことを知っている人にとっては、革命後の世界を薩摩目線で知ることができ、ためになります。話が脱線しまくって物語が進んでいるのかよくわからんけど、自分にとってはどれも興味深いものばかり。「西郷どん」を楽しむためにはちょうど良い作品でもあります。2018/04/25
じゅじゅじゅ
6
維新直後の混乱期の西郷さん。大久保、木戸、大隈、伊藤…人柄や思想、立場、長けていた点、そうでもない点が丁寧に描かれていて、いちいち共感しながら読んでいった。征韓論を推す西郷さんの考えが切実で、苦しんでる様が悲しかった。2018/02/08
ホレイシア
6
司馬さん、ここから入るとキツイかも。2008/01/28
びーちゃん
5
明治維新後西南戦争までの藩閥政治の内幕を描く。大久保利通と西郷隆盛を中心として,木戸孝允,大隈重信,江藤新平,伊藤博文,後藤象二郎,岩倉具視,黒田清隆,川路利良,桐野利秋,島津久光などが登場する。文学的完成度にはやや欠けるが,人物描写はおもしろく,勉強にもなる。評価42013/02/27
shikami
4
司馬著作中でも、異色な作品。本著は小説の体をなしておらず、随想、評論に近い。中には創作の箇所もある(そのへんは小説といえるかもしれないが)。司馬自身が、西郷という巨大な謎に肉薄しようと試み、遂には果たせなかった失敗作といってもいい。だからといって、読むに値しないということではない。征韓論騒動から西南の役までの流れを、ここまで詳細に描いた作品は、他に類を見ないし、さすが司馬作品だけあって、堅苦しくなく、非常に面白く読める。特に、西郷隆盛に興味を持つ人には必読書とまでは言わないが、ぜひ一読する事をお薦めする。2011/10/01