内容説明
小説はこんなにおもしろい!文学の入り口に立つ若い読者へ向けた自選アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
79
こんなドロドロした物語の数々を「はじめての文学」とくくっていいのでしょうか。はじめて読むにはかなりグロテスクな表現が多々出てきます。独特のクセのある、毒を含む文章は合う合わないがあるかもしれません。個人的には好きですが。2018/08/07
竹園和明
43
YA向け作家別作品集シリーズの桐野夏生篇。桐野流の毒が塗された短編が並ぶ。「使ってしまったコインについて」は92年作。夜遊び仲間の女子中学生3人が見たアングラSMの世界。抱いた嫌悪感と友への想いを綴る。初っ端にこれはインパクト絶大!。続く「アンボス・ムンドス」は既読。小5の女子世界。いじめっ子サユリが崖から転落死したのは事件か事故か。その裏に潜む恐ろしい真実とは。清濁併せ呑む大人世界の指南作品集でもあるが、「年若い方に対しても毒を減ずる気持ちはない」という著者の潔さとイズムこそ、YA達は学び取るべきよ。2023/04/15
James Hayashi
29
若者向けの短編集というが、アダルト的な内容も含んでいるので大人でも十分楽しめる。「アンボス・ムンドス」は読破済み。「植林」はグリコ森永事件に触れているが、「罪の声」とは違う形での子供の声を取り上げ興味深い。中の3つは自分の好みでないが、始めと終わりの2本だけでも読んで価値のある作品。「植林」の終わり方はいいなー。2018/01/25
アコ
24
6篇収録。初の図書館リサイクル本。長らく積んでいたけど著者の長編を読んだ勢いで読了。既読単行本「アンボス・ムンドス」からの2篇はインパクト大で2年以上前に読んだのに記憶にあり再読としても楽しめた。しかしそれ以外はあまりハマらず。女子プロレスに関心がないのも大きいのかな。でも『嫉妬』はまずまず。“小説には毒がある”というタイトルから始まる著者解説で、桐野さんの小説に対する考えや思いが語られているのは◎2019/07/26
jima
21
短編6作品。「アンボス・ムンドス」教師が不倫旅行中担任する子供が死亡。子供の悪意が印象に残る。最後に作者のあとがきがあり、各作品について説明してくれているのが良かった。「小説には毒がある」か。2015/12/01