幻の漂泊民・サンカ

  • ポイントキャンペーン

幻の漂泊民・サンカ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163579405
  • NDC分類 384.38
  • Cコード C0095

内容説明

柳田国男、三角寛、以来の山窩論争に終止符を打ち、日本人の山窩幻想を鮮やかに総括。

目次

序章 サンカとは何者だったのか
第1章 近世末・明治初期のサンカ資料を探る
第2章 柳田国男のサンカ民俗誌
第3章 サンカの起源論をめぐって
第4章 サンカの原義は「山家」だった
第5章 発生期は近世末の危機の時代か
第6章 三角寛『サンカ社会の研究』を読み解く
第7章 今日まで残ったサンカ民俗をたずねる

著者等紹介

沖浦和光[オキウラカズテル]
1927年大阪に生まれる。1953年東京大学文学部卒業。専攻は比較文化論、社会思想史。現在、桃山学院大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AICHAN

16
図書館本。戸籍がなく定住せず主に山間を渡り歩く一所不在のサンカ。明治に入って警察から山窩(山の盗賊)という名前を与えられたが盗賊ではない。乞食でもない。多くは夏は川魚を獲り冬は蓑作りなどをし、それらを売り歩いて生計を立てていた。戸籍がなく一所不在の流浪の民は定住者から偏見視され誤解れさ差別された。著者は、サンカが文献で初めて登場するのが幕末であることからサンカは近世末になってから登場したと見る。天明から天保の大飢饉によって潰れた百姓が流浪しサンカになったと著者は見る。うーん。2016/05/09

Junichi Watanabe

3
#読了 。律令体制下に取り込まれず一所不住の漂泊の民「サンカ」。遊行僧や傀儡などに比べて歴史資料が少なくなお謎多き人々。後少し資料が発見されればなお一層サンカの暮らしが見えてくるかもしれない。2023/06/28

あきまこ

3
家を持たず漂泊して生きてゆくということが、考えれば考えるほど謎がわいてきたので読みました。漂泊民の日常が書かれているのではなく、どのようにして発生したのかが歴史的に書かれており、ことは予想以上に深かったです。そしてどのようにして消えていったのかがハッキリせず、たぶんこうなっていったのだろう…と想像しました。ルーツをたどればこのように生きたご先祖様もいるのかもしれない、と思うほど、根は深かったです。2021/03/01

miroku

2
民俗学はどうしても派手なファンタジー方面に目がゆくのだけど、こういう地に足のついたものを読むと現実との接点が見いだせる気がする。2009/09/13

武隈

1
「一所不在」という漂泊民のサンカを追った研究書。私も小さい頃、河原に小屋掛けしている人達の話を聞いたことがあり、どういう人達なのかずっと疑問に思ってました。この本を読んで、山の漂泊民のことが判りました。日本の歴史は、差別する側とされる側の繰り返しですね。現代社会は、サンカが受けたような差別が無くなったと言えれば良いのですが、新たな差別が増えているようです。また、サンカのような窮民が発生するような気がします。2015/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/151897
  • ご注意事項