内容説明
傑作自伝「わたしの渡世日記」のその後。世俗のしがらみを捨て去って到達した自由な境地。
目次
一本のクギ
仮面と鎧
荷物
敵
人間嫌い
鶏卵
一日一笑
ふたり
ひとこと(高峰秀子)
著者等紹介
斎藤明美[サイトウアケミ]
1956年高知県生まれ。津田塾大学卒業後。7年間、東京都内の私立女子校で教師を務めた後、テレビ番組の構成作家を経て、87年週刊文春の記者となる。現在、同誌で「『家』の履歴書」のライターなど。99年、処女小説『青々と』で第10回日本海文学大賞奨励賞受賞
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感想・レビュー
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バーベナ
5
松山(高峰)夫妻を「かあちゃん」「とおちゃん」と呼ぶ著者(現:養女)。その交流の中で出てくる、著者の驚くほどの幼さや依存心を、不快に思ってしまう場面もあるけれど、逆に松山夫妻のおおらかさ、ユーモア、厳しさが浮き彫りになってくる。親は自分で選べないというけれど、そうじゃないところを、羨ましく思うのかも。松山氏に冗談で言われて、即興で漫才を始めてしまうふたりだもの。2013/04/09
かず
4
ここまで書かなあかんのかい、と思ってしまうところもあるが、人物の素晴らしさを表現しようとしている意気込みみたいなんがすごく伝わってくるまっすぐな文書に惹かれる。2013/02/13
北の風来坊
4
濃密な人間模様が文章の全てに行き届いていて一気に読めました。うらやましいほどの著者と松山夫妻との心の交流でした。2012/02/27
でおでお
2
高峰を「かあちゃん」と慕う著者の愛が横溢している。しかし読者が白けてしまうような盲目的な愛ではなく、そこには人間・高峰秀子をまるごと理解しようとする適度な距離を持った眼差しがある。「善意」の塊である夫との出会いを天の差配というなら、老齢となった高峰と著者が出会ったことも天の差配といっていい。自身を「人間嫌い」と評する高峰にこれほど可愛がられたのは、性格もあるのだろうが著者の実母との死別に絡む騒動が効いているのだろう。2010/08/11
mimitara
2
高峰秀子さんはやはりすごい人だが、著者の幼稚さには嫌悪感が残る。2010/03/28