内容説明
松下電器、住友商事、三井物産、清水建設…彼らは何故会社を辞めたのか?人生の収穫期を迎えたときに農業の道を選んだ、「熟年世代」たち。退職金、離婚、病気…。多くの問題を越えて、彼らがつかんだ「幸せ」とは?日本全国津々浦々。29人の「脱サラ帰農者」たちがホンネと実態を語る。
目次
第1章 帰りなん、いざ(今日とはちがう明日―辻本靖;目指すは人生二毛作―小西博 ほか)
第2章 脱サラ新米農業術(農業は情報処理産業です―杉山経昌;新鮮な空気を吸いたい―及川俊郎 ほか)
第3章 黄昏の果実(エリート商社マンから夢職へ―神山英昭;長塚節の『土』の舞台で―中田智夫 ほか)
第4章 団塊帰農族(五〇歳が団塊の世代の節目―藤田規;生活費は夜勤のアルバイトで―鈴木繁男 ほか)
第5章 田園に死す(中年アイアンマンの選択―金子数栄;首都圏のエセ故郷で健康と長寿を―図師孝延 ほか)
著者等紹介
田沢拓也[タザワタクヤ]
1952(昭和27)年、青森県生まれ。早稲田大学法学部、第一文学部卒業。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。著書に『住友銀行人事第2部』(アイペックプレス)、『「延長十八回」終わらず』『虚人 寺山修司伝』(ともに文芸春秋)『ムスリム・ニッポン』(小学館。第4回21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞)、『空と山のあいだ』(TBSブリタニカ。第8回開高健賞)など
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感想・レビュー
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Fみほ
1
いい企業ですごい立場にいても、かなり高収入があっても新規就農した方のご紹介です。50代60代というのは、人生の分岐点なのですね。でも、なかなか50代から転身して農業というのは、家族の賛成を得られず単身赴任になったり、なかなか体力的にも基盤作りとしても遅い気がしてしまいます。新規就農者向けの支援策がもっと充実してくれればと思います。2016/09/07
マサトク
0
積読を自炊して。2001年の出版だから、取材からは20年近くたっていることになる。この本の多くは50代の脱サラ帰農組で、彼等が今どうなっているのかは気にかかる。とまれ、ほぼ全ての人が現金収入という意味では減少している。ほとんどが半減以下といってよかろう。それでも充実感はある、と、言う。ルポルタージュであるから価値判断や分析は控えめで、ただひたすら彼らの農業という選択を、細かに積み重ねていく。帰農のリアルはひしひしと感じる。…もちろん、半ば趣味的に農業と関わる人もここにも多く、それが最善なのかも、とも思う。2018/01/09
健康ちゃん崩壊
0
人の中に潜在する野生はいつの世も変わらない2012/03/15