出版社内容情報
片や思想界の巨人、片や中国追放をくらった大記者にして芥川賞作家。オウム事件、中国、性そして死を、自身の体験を交えて白熱討論
内容説明
オウム事件から、戦争、性、臨死体験、資本主義の行方まで…現状に苛烈な異議を申立てる、率直無比な剛腕対談。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miracolo
1
特に終盤が白熱してて面白かった。1997年の本だけど、今読んでも色褪せない。問題は変わらず…2022/09/30
χ
1
共感、多数。人間性の深みから極悪をもきちんと理解する、そう言う寛容さがなくなったら宗教なんか意味ねえじゃないか。指示通り犯人は毒物を撒き、記者は人を助けずに指示通り取材のみをする、それが恐い、犯人も記者も組織を裏切った方がいい。漁師や農家に今の仕事を辞めるなという方が横暴ではないか、やめるなということは「お前ら貧乏に耐えろ」ということと同じ。自分と無関係と考えるところから始まる切り捨て。自分がする覚悟もないのに批判することはしない、これだけは強く思う2012/07/03
クリフトン
0
吉本氏は海で事故に遭った その前後で特に変化はないという サリン事件 阪神の震災を経て社会は変わったのか変わらないのか 変わるべきなのかそう出来ないのか もし分析する人と分類する人があるとしたらどちらかといえば吉本氏は後者なのではないだろうか 対立するものの一方にたつか俯瞰するのかの違い その後20年の歳月が流れ更に原発の事故 東北熊本の震災などを経ても世の中は大きく動くことはなく僅かずつ劣化しているかのようだ2017/12/05
小倉あずき
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対談が行われたのが1997年で、この年は阪神大震災があり地下鉄サリン事件もあり2012年に吉本隆明が亡くなる遠因となった(と実娘のよしもとばななが書いている)伊豆の土肥での海難事故があった。既に2人とも故人だが、今ご存命ならどんな対談になるだろう。吉本隆明には含羞を、辺見庸には焦燥感を感じる。吉本がちょいちょい挿入してくる「戦時中のリアル」はもっと共有すべき歴史証言だと思う。タイトルは各対談のテーマを取り上げているが、ひとつだけ採用されなかった「身体と言葉」が一番大切なことを語っている気がした2024/05/25