出版社内容情報
バキュームカーなくしては日本の経済成長はなかった──緑の下の力持ちの誕生から現状までを詳細に辿った画期的なルポタージュ
内容説明
この“縁の下の力持ち”なくして日本の経済成長はあり得なかった。日常生活に不可欠なスグレモノの誕生から現在までを詳細に辿った画期的なルポルタージュ。
目次
バキュームカー誕生以前
バキュームカー誕生秘話
機械化部隊出陣
清掃一家
通称「黄金艦隊」
まだまだ頑張ってる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oldman獺祭魚翁
31
図書館本 ★お食事中の方はご遠慮ください★ 皆さんはバキュームカーなるものをご存じだろうか?この本によれば戦後川崎市が造ったのが始まりだそうで、それまでは日本はし尿は人の手による汲み取りだった。し尿処理の戦後史ともいえる一冊で非常に興味深い本だが、真ん中辺りまで読み進むとあまりの川崎市賛美にかなりウンザリしてくる。それに対して反比例的に矢鱈東京都の清掃事業が扱き下ろされている感じで、確かに東京都の行政は後手後手に廻っていたようだがそれにしても此処まで書かなくてもと思ってしまう。その点以外は面白い本だ。2016/11/25
Mentyu
5
バキュームカー導入の先駆者は戦後の神奈川県川崎市だったらしい。本書では当時の川崎市の関係者への直接取材から、バキュームカーの開発と運用の実態を調査している。もっとも、研究者ではなく一般のライターによるものなので、随所に筆者の私見(東京都行政の批判と川崎市への肩入れ)が入っている点はご愛嬌といった所か。聞き取り調査の内容自体は、オーラルヒストリーとして非常におもしろいものになっている。川崎市作成のバキュームカーに関する統計も所収されており、公衆衛生と行政について調べる時には一読しておくと良いかもしれない。2018/02/18
takao
3
ふむ2021/05/24
小木ハム
2
バキュームカー開発秘話。今じゃ水洗式が一般ですが、山間部ではいわゆる″ボットン便所″がまだまだ主流でありお世話になってます。誕生は昭和25年4月、生みの親は川崎市行政の工藤さん。そして協力会社の犬塚製作所(改造車メーカー)。世の中には誰もがやりたくない仕事をやってくれている人がおり、助けてもらっている事を忘れてはいけない。当時は国からの補助もなく個人的な努力で製作されたようだ。そういった日陰の功労者に焦点を当て、生の声を聞かせてくれる稀有な本と言える。″縁の下の力持ち″は自分が最も好きな言葉。2018/04/28
Count_Zero
1
トゥイッターで見かけたので読んでみたが、非常に面白い。小学校のころは実家の周りにもバキュームカーがうようよ走っていたが、いざその存在を改めて解説されると、本当に興味深いものなんだなあと認識。そして川崎に住んでた頃、ゴミ出し放題だった理由も分かり、改めて先人の努力の上の出し放題だったんだなあ。二十年前という微妙な古さなので、その後の下水道率とか自分で調べるのも面白いかも。2017/12/03