出版社内容情報
総論としていい。戦後五十年、帝国海軍を書きつづけてきた海軍参謀生き残りの最後の本である。「開戦・近代戦への適応ならず」「誤判断また誤判断」「敵過小評価・自己過大評価」「明治の頭で昭和の戦争をした」といった章のタイトルがすべてをいいつくしている.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 293頁、より)
内容説明
真珠湾奇襲攻撃の成功が日本を敗戦に導いた。「明治の頭で昭和の戦争をした」旧日本海軍独特の“気質”を改めて考察、検証する。
目次
第1章 海軍指揮官とは(海軍指揮官は特異な存在;将来の艦隊決戦のために作られた海軍指揮官)
第2章 予想と違った太平洋戦争(開戦・近代戦への適応ならず;誤判断また誤判断 ほか)
第3章 失敗の教訓(明治の頭で昭和の戦争をした;海軍軍人の心の底にあったもの;青年たちの感性と責任感に脱帽)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千本通り
7
著者は1909年(明治42年)生まれで2006年(平成18年)に97歳で亡くなられた。この本が出版されたのは1995年で86歳の時にあたる。海兵(海軍兵学校)59期で海軍大学校にも進学していて、米内光政、嶋田繁太郎、永野修身らの副官を務めた。太平洋戦争中は軍令部に所属していて、当時の雰囲気を知る現役世代としては最後の太平洋戦争分析本だろう。 2024/10/02
Ayano
2
海軍指揮官とは、予想と違った太平洋戦争、失敗の教訓の3章からなる本。 表紙と裏表紙の内側に地図があるので、読みながら海戦場所の確認ができる。 多くの指揮官が登場するが細かい人物描写等はあまりないので人物を確認しながら読むのは大変かも…。2012/08/26
Koichi Mori
0
井上成美元大将に「明治の頭で昭和の戦争をした」と喝破された日本帝国海軍の作戦指揮のまずさを余すところなく描いた本。2012/02/27