出版社内容情報
日本で無視され続けてきた西欧近代のひとつの側面を、代表的な思想家を題材にとりながら鮮かに分析し、未知の世紀への指針を示す
内容説明
彼らが冷静に確信をもって予言しかつ解釈した大衆社会の諸相は、現代日本の姿そのものではないのか。
目次
西欧の自己懐疑と日本の自己放棄
保守的自由主義の源流―エドマンド・バーク
大衆批判の原点―セーレン・キルケゴール
多数者への抗議―アレクシス・ド・トックヴィル
近代に突き刺さった棘―フリードリッヒ・ニーチェ
進歩への悲観―ヤーコブ・ブルクハルト
群衆への闘い―ギュスターヴ・ル・ボン
諧謔による正統の擁護―ギルバート・チェスタトン
文明という名の死―オズヴァルト・シュペングラー
文化的小児病への恐怖―ヨハン・ホイジンガ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
27
今となってはあまり公言したくないが、若い時分の私が著者にすさまじく感化されていたことを、本書を読み直して思い出した。チェスタトンの『正統とは何か』も、バークの『フランス革命の省察』も、オルテガの『大衆の反逆』も、T・S・エリオットの『文化の定義のための覚書』も、すべて本書の影響で手に取った。今はなき『諸君!』での連載の書籍化だが、ニーチェとかヴィトゲンシュタインを保守思想家の系譜に位置づけているのが著者の独自性か。2022/06/01
さきん
3
保守思想の系譜が分かりやすく書かれていた。2015/07/06
牙のある羊
3
国民主権或いは民主主義への批判など、同意できる部分は多いが、予想通りハイエクを保守主義者に祭り上げる辺り、胡散臭さが拭えない一冊。2012/11/19
jp
3
様々な思想に触れていきたいと思うきっかけとなりました2012/05/03
勘太郎
2
衆愚主義としての大衆論 そもそもプラトンがイデア論を持ち出したのも動機に、衆愚に対する批判がある アリストテレスも六政体で問題提議している 西洋には昔から衆愚への警戒が伝統として流れている 2015/12/26