旅をする木

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163505206
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

正確に季節がめぐるアラスカの大地と海。そこに住むエスキモーや白人の単純で陰翳深い生と死を、味わい深い文章で描くエッセイ群

内容説明

アラスカの広さと静けさ。そのなかで天と地と人が織りなす物語を、暖かく語りかけてくるエッセイ群。

目次

新しい旅
赤い絶壁の入り江
北国の秋
春の知らせ
オオカミ
ガラパゴスから
オールドクロウ
ザルツブルクから
アーミッシュの人びと
坂本直行さんのこと〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rin

71
【図書館】星野道夫さんの命日に読み終えることができました。カリブーの大移動をお追いかけ、アラスカに魅せられ移り住んだ星野さん。自分の心に耳を傾け、真摯に自然や生き物と向き合う姿は、私の生活とは時間の進みが違うようで。ゆっくりと夜空を見上げたり、森の声に耳を傾けたり。もっともっと、足元や身近に生きる草花にも注意を向けたい。過去にも未来にも生きずに今を生きる生き物たち。ありのままの自然や人々に向き合う星野さん。今、読むことができて本当に良かった。一つひとつの言葉を噛み締めたい。ゆっくりと写真を眺めたいです。2018/08/08

ぶんこ

54
16歳でブラジルへの移民船でロスに行き、そこから2ヶ月間の一人旅をした!1ドルが360円の時代です。その資金を父親が出して送り出していた!驚く事ばかりでした。アラスカの自然にも魅了されましたが、「赤道の落日が水平線に真っ直ぐに落ち、一瞬のうちに世界が夜になってしまう」という描写が印象的でした。見てみたいです。セスナのパイロットとの命がけの飛行等、圧倒的な大自然には、抗えない魅力とともに危険もいっぱい。この翌年に不慮の事故に遭われたと思うと複雑な気持ちとなりました。2019/01/16

てんちゃん

46
アラスカの自然を通して、悠久の時、野性の力強さ、人の営み…。様々なことを考えさせられる素晴らしいエッセイ。読んでいて彼の撮ったアラスカの写真がたくさん思い出された。自分は山間の過疎地に住んでるが、そんな地にひっそりと暮らしてゆくことも良いかなと思った。献血ルームでたまたま手にした一冊の写真集から、読友さん達に導かれてこの本にたどり着いた。大樹や氷河、大地に比べて人の生は儚いけれど、人の思いは長く受け継がれて生きていく。著者は早くに亡くなってしまったが彼の思いはたくさんの人に受け継がれている。2018/01/27

りんご

45
熊の行動範囲を調べるため、首につけた発信機の交換をする。冬。この雪の下どこかに熊がいる。ひょえっ。見つけた→麻酔を注射→交換。ぼくはクマのそばに腰をおろし、「掌を口にあてると、かすかな息が暖かかった。人指し指をそっと口の中に入れてみた。指先がクマの体温に包まれていった。おなかに顔をうずめると、香ばしい匂いと肌のぬくもりが顔面に広がってくる。ぼくは深呼吸をするように、遠い野生の匂いを記憶に残そうとした。」うわあー、感じるよう。クマを感じる。私も思わず野生のイエネコの肉球を嗅いでしまいました。2025/02/09

かっぱ

44
【図書館】アラスカの森林で生まれ育った木が、やがて大地の浸食によって川へと流れ出し、北極海へと辿り着いてひとつのランドマークとなるまでの長い旅。そんなことが何千年、何万年と繰り返されている。人の一生に比べたらとてつもなく長過ぎて想像しがたいけれども、確実にこの地球の上に流れているもうひとつの時間。そんな時間があることを忘れないでいたい。2014/08/16

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