出版社内容情報
レヴィ=ストロースとの熱き対談「神話と歴史のあいだ」を始め、漱石を論じ、昭和の時評を語り、文学の荒廃を嘆ずる力作評論十篇
内容説明
「吾輩は猫である」の基底部に潜む深沈たる「沈黙」はひとり漱石という作家の持つ「沈黙」にとどまらない。東洋と西洋の文明観の差違を直視しつつ、文学と人間存在の根柢を問う評論集。
目次
徳田秋声と「充実した感じ」―「形」と「筋」と「実質」と
相対化する場所
60年の荒廃〈聞き手 富岡幸一郎〉
昭和の時評をめぐって〈聞き手 川村湊〉
漱石と言葉、漱石と沈黙〈聞き手 茂原輝史〉
神話と歴史のあいだ〈対話者 クロード・レヴィ‐ストロース〉
日欧文化の対称性と非対称性―美術と文学と
記号を超えて創造へ〈対話者 ウンベルト・エーコ〉
文芸随想
マクリーンの手紙