出版社内容情報
二十一世紀を前に世界が急激に変化しつつある今こそ、日本の本質に深く思いをめぐらすべきではないか。大好評の日本論待望の新刊
目次
戦国の心
ドイツへの傾斜
社
室町の世
七福神
船
秀吉
岬と山
華
家康以前
洋服
「巴里の廃約」
「脱亜論」
文明の配電盤
平城京
平安遷都
東京遷都
鎌倉
大坂
宋学
小説の言語
甲冑
聖たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
40
司馬さんのエッセイを読んでいると本当に時間がゆったりとした感じで過ぎていきます。吉村昭さんもそうでしたが、このように歴史のことなどを書いてくれる作家・エッセイストが少なくなっていくのは寂しいことです。司馬さんのこのようなエッセイに相当する書き手をもっと探さねばなりませんかね。2014/11/09
悠々人
3
興味深い話が沢山詰まっている本です。 その中の一つです。 奈良時代は律令国家としての最盛期でした。そして、律令制というのは沈黙の社会主義体制だった。沈黙のというのは、社会主義につきもののやかましさがなかったということ。 やかましさとは、マルクス主義、ナチによる国家社会主義あるいは戦前の日本軍部の統制主義における”思想”によるおどし。 う~ん、考えられます。2017/11/15
じょし
3
全体を通しての感想だが、常々不思議に思っていたり、また何も気づかずに過ごしていたことがらが手品の種明かしのように、次々と明らかにされていくのは痛快。例えば「70 甲冑(上)」 「71 甲冑(下)」では、日本の甲冑がなぜ特殊な形をしているかを、物理的な理由のみならず、当時の精神から解き明かしていて非常に明解。 「66 鎌倉」秀逸。 北条仲時の最後に彼の旗下『四百三十二人という人数が仲時とともにいっせいに腹を切った。』という箇所では、千年弱の時を経て戦慄した。 2011/05/10
ヨウゾウ
0
歴史エッセイ二十四篇、著者の博識振りにいつもながら驚かされます。 特に文章表現の文語体から口語体への推移や、鎧兜の古代から江戸時代までの形態変化に興味を惹かれました。2025/01/27