出版社内容情報
ラジオ「宇宙戦争」で全米を仰天させ、25歳で初監督作品『市民ケーン』を世に出した伝説の怪人の華やかでほろ苦い「フェイク」人生
内容説明
シェイクスピア俳優として名をなし、ラジオ『宇宙戦争』で全米を驚愕させ、『市民ケーン』を世に問うた―そのとき、彼は25歳だった。「天才」の荷を負った放浪の旅が始まる。旧弊なハリウッドに追われた栄光のジプシーか?己が才気をもてあそぶ気ままな道化師か?突然の死を前に明かした、オーソン・ウェルズ「最後の弁明」。
目次
オーソンが語りはじめた
神童
はぐれ者の孤島
純潔
ソドムとビゴラ
行進の歌
オーソンをつかまえるまで
狂乱のパンジーと妙齢の処女
利口なルーシファ
生意気小僧
トッド校とスキッパー・ヒル
自由な魂
ハーレムの王
摩法の箱
ワイルド・キャンプ
プールにご用心
バリケードの聖者
綱領宣言
かつらとつけひげ
一人称単数
最後の審判の日
バナナとミルク
ルース・ウォリックとのこと
野心の力
バラのつぼみ
しっぺ返し
赤い服の男
わが友ジョゼフ・コットン
デラックス館
連夜の乱痴気騒ぎ
栄光の日々
秘書は語る
オレッ!オレッ!
スケジュールと予算の厳守
俳優が大統領になるとき
アメリカ市民
破れかぶれの冒険
最上の男
栄光のジプシー
伝記作家に語ること
フットライトのもとへ
チャールトン・ヘストンが語るオーソン
シジフォス
クレイジー・ウェルズ
体重とのあくなき闘い
世界に知らしめよ
事実と作りごと
またか!
マリオネット
キキとともに
ありのままに
映画にしないではいられない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
1
伝記作家が様々な資料を取材し、ウェルズ本人に長期インタビューを敢行して物した自伝。500ページ超え、二段組!という大著で、「市民ケーン」に話が至るまでに半分費やす。つまり、生い立ちから10代後半~20歳過ぎの舞台とラジオでの活動にかなりのページを割き、若きウェルズの才気溢れて、天才故の傲慢さ等がこの頃から性格だという事がわかる。映画界に入ってからは、相変わらず才気走っているがトラブル続き。映画製作にまつわるトラブルでハリウッドから事実上追われ、納税にまつわるトラブルでアメリカからも追われた流浪の人生だ。2024/11/23
Gen Kato
1
ちょっと変わった形式で書かれた「自伝&評伝」。『市民ケーン』に圧倒された映画ファンとしては読まずにいられませんでした。見逃している作品を観てから再読する日が楽しみ。2014/07/10