出版社内容情報
文藝春秋が発掘、発表し、日本全国を興奮の渦にまきこんだ昭和の超一流資料、ついに単行本化なる。未発表の御用掛・寺崎日記も収録
内容説明
昭和天皇が自ら語った「昭和の戦争」。そしてマッカーサヘとの会見など、昭和天皇の「戦後」につかえた御用掛、寺崎英成の未公開日記―。昭和史の瞬間を生き生きと伝える寺崎資料の衝撃。
目次
記録の発見と公開について
昭和天皇独白録
寺崎英成・御用掛日記
“遺産”の重み
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
○天皇の大東亜戦争期の考えや視点がよくわかります。事実に関しては冷静に見ながらも立憲君主制の元首としての立場に苦慮されたことが伝わります。人物評価も興味深いものがあり、東條英機の評価は意外なほど高かったです。再読の目的の一つである米内光政の総参謀長の話は確認することができました。2021/10/11
藤瀬こうたろー
12
太平洋戦争に至るまでの色々な事柄についての昭和天皇の見解を側近たちが聞き書きによってまとめたもので、半藤一利氏が注釈付き。前半が独白録(聞き書き)、後半は当時の御用掛の寺崎英成氏の日記だけど、寺崎氏の部分はほんとに日記なので当時の暮らしぶりを雰囲気として味わう感じ。それにしても、事後に見解を述べてるとはいえ、昭和天皇の人物観や洞察力は深く、鋭い。それだけに戦争に至るまでにどうにかならなかったのかという気はするけれど、当時の絶対的権威である天皇ですらどうにもならなかった時代の勢いというものの怖さを感じた。2022/01/09
RED FOX
10
「若し認めなければ東条は辞職し大きなクーデタが起こり、却って滅茶苦茶な戦争論が支配的になるであらうと」昭和天皇の論評沁みる。寺崎氏の政府・宮中・GHQ間の鬼調整、マリコ氏の父母と日米愛に泣く。2025/08/25
jiangkou
8
戦後天皇が日中戦争前後の出来事の回想を原文ママで纏めたもの。手記はとりとめないがそれぞれの登場人物、時代背景のまとめが著者からつけられていて大分読みやすい。読むと分かるのが天皇や政府は日本軍の実力や実際の国際情勢を殆ど把握していないという事。天皇は木戸の話くらいしか窓口が無い中でも英米と事を構えてはよくない、など常識的判断はできている。感じるのは軍部と外務省の無能さ。見通しらしい見通しもなく希望のみで外交、紛争処理をし続ける。しかも本土決戦も武器も無いのに勝てると主張し続ける。もっと勉強が必要だ。2018/06/04
あけの
7
立憲君主ではあっても その立場にこだわり過ぎずにいたらどうなってたのかなと思う 頭の良い先見の明があった人だからこその苦悩がみてとれる 寺崎~は 戦後の時代の一視点としてとても面白かった 今の現代にはこのような人はいるのだろうかとふと思う 年表みて 太平洋戦争ってけっこう短かったんだと改めておもった、20年戦争とはいうけどどこを起点にするかだなと2019/11/04
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