出版社内容情報
共に生きるに値する男はどこにいるのか。偏見茫々の世に意地の花を投じて愛を貫いた、奇術師・松旭斎天勝、作家・壷井栄ら五人の女達
目次
妖かしの女奇術師 松旭斎天勝
恋の流離をかさねた歌人 原阿佐緒
山県有朋に啖呵をきった女優 森律子
蛇の指輪を愛した『婦人公論』記者 波多野秋子
名作『二十四の瞳』までの修羅 壺井栄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
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松旭斎天勝、原阿佐緒、森律子、波多野秋子、壺井栄の評伝集。天勝や森律子はいかにも明治女だなあ。波多野秋子は『夢のかけ橋』の抄録。森律子の姪・赫子の晩年によきひとがあったことに安堵したり。林芙美子や平林たい子の嬌態となじめず、「青春の渦巻にとけこめ」なかった若き日の壺井栄が好きです。2015/06/07
umeboshi7
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[貰った本] (★★★★☆) すごく面白かった。一読の価値はあると思う。 女の人生、様々だ…まさしく、人に歴史あり、だなと、思った。 特に天勝と阿佐緒の生涯は興味深く読んだ。 取り上げられている5人全員に共通して感じたのは「強さ」。それぞれ、その強さの種類は違えど、芯のある強さが感じられた。 作者の対象者やその親族に対する優しい視点が感じられ、友人や親族たちの言葉は、しみじみと人生や人の関わりを感じさせるものがあった。 (友人に譲渡)2018/01/27