出版社内容情報
大学をパロディ化したベストセラー作品の裏話、主人公唯野教授の知られざる正体など小説以上に面白いエピソードを満載。緊急出版
目次
文学部唯野教授に100の質問
《インタビュー》 「文学部唯野教授」から「短篇小説講義」へ
ポスト構造主義による「一杯のかけそば」分析
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっとる◎
36
「文学部唯野教授」のサブ・テキスト。ってそのまんまや(笑)唯野教授が100の質問に答えたり、筒井先生へのインタビューがあったり、ポスト構造主義を駆使して「一杯のかけそば」を分析したり。ポスト構造主義による分析がとにかく凄かった(笑)普通に泣ける話のはずが、スパイが全国規模で活躍するファシズム的物語に早変わり(笑)テクストは、生れ落ちると同時に多数言語なのである。恐るべし(笑)2016/04/17
おとん707
9
内容は三つに分かれ、最初が唯野教授が集英社の雑誌すばるのインタビューに答えたというもの。質問は唯野教授へのものだが唯野教授の口を借りて筒井康隆本人の本音を覗かせたり筒井本人に訊いてくれと言ったり。2番目は筒井康隆本人が岩波の雑誌文学のインタビューに答えたもの。筒井康隆がいかに勉強家であるかがわかる。その勉強の成果を文学作品「文学部唯野教授」に昇華できる力量にはただただ脱帽。3番目はポスト構造主義研究の成果で「一杯のかけそば」を大真面目?に分析した評論。学生にも分かり易い唯野教授の講義を受けているようだ。2024/11/25
テイネハイランド
8
「文学部唯野教授」は、文藝批評の様々な形式について楽しく学べる小説でしたが、その愛読者用に発表されたのがこの本。やはり、「ポスト構造主義による「一杯のかけそば」分析」がこの本の読みどころでしょう。ロラン・バルトによるバルザックの小説「サラジーヌ」分析の本「S/Z」が元ネタらしいので、そちらについても一度読んでみたくなりました。2016/12/24
遠藤三春
2
本編は難しかったけど、こちらはまずまず。本編の補足+インタビューかしら。あと一杯のかけ蕎麦読解。しかしなぜ性的な方へ読み解こうとするんだ笑2012/02/01
ころこ
1
下敷きにされた「文学とは何か」は、大江健三郎さんから紹介されて読んだそうで、大変勉強家だともいえますが、他方、権威を使って批評家の批判を押さえつけているしたたかさがあります。100の質問の中で、良い批評家、悪い批評家とその理由というのがありますが、これはどの位読んで判断されているのか、これだけ読むとしたら、小説の執筆に差し支えるだろうと思いますが。2016/09/09