出版社内容情報
再犯のゴロツキばかりが集められ府中刑務所。そのふてぶてしさと狡猾さを駆使してもとてもツライ塀の中。思わず吹き出す奇怪で愛すべき懲役たちの素顔とお仕事
内容説明
入ってみなきゃ分らない、体験者が御案内する刑務所ツアー。大泥棒、詐欺男、殺人犯、ヤクザ、過激派等々、犯罪のプロフェッショナルばかりが集う府中刑務所。ふてぶてしくて奇怪だけれど、どこかユーモラスな珍人類の競演。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
個性豊かな囚人たちを著者が洒脱な表現で書いています。意外性もあるため面白かったです。2022/10/09
西澤 隆
10
当時は読んでいないはずだけど懐かしい感じがしたのは、きっと浅田次郎の初期のエッセイにどことなく重なる感じがあるからだと思う。ただ浅田サンは「中に落ちなかったヒト」で安部さんは「落ちたヒト」。この差は大きい。かくして獄中のいろいろを紹介しながらも暗くもならなければ黒すぎにもならないこういうスタイルはここに開かれ、真面目な方面ではたとえば山本譲司さんの「獄窓記」や、ホリエモン中島らもたちの獄中作品への道を開いた…のかもしれない(笑)。しかし読むだけならいいけどヒト扱いされないこんな場所には、入りたくないなあ。2018/11/12
bluemint
10
出版された時以来の再読。鮮度が落ちている。今だにここに紹介されているような名人芸を持つ囚人がいるのだろうか。刑務所が犯罪者の更生施設に本当になっているのか疑問になってきた。文章はやたらとうまい。2018/06/16
かながわ
8
しばらく前の訃報を受けて読む。刺激的アングラではなく訥々と語られる屏の中。握りしめ過ぎない。人生悲喜劇に最後の“仕合わせ”という表記が似合う。著者さん登場に珍しく好感。2021/04/16
Taito Alkara
7
昭和中期の府中刑務所の一面が知れた。作品は、家族との絡みにこころがうごいた。2017/05/26