謎の十字架―メトロポリタン美術館はいかにして世紀の秘宝を得たか

謎の十字架―メトロポリタン美術館はいかにして世紀の秘宝を得たか

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  • サイズ B6判/ページ数 324p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163404202
  • NDC分類 936

出版社内容情報

メトロホ゜リタン美術館の若き館員が、交渉、説得、機転、策略のかぎりをつくして、中世美術の至宝を入手するまでを描いたサスペンス小説を越えるノンフィクション

内容説明

これは冒険小説? それとも美術界内幕暴露? 十字架をめぐる冒険。世界の美術界の知られざる内幕、美に憑かれた青年の野心と情熱。この本を読むとつぶやきたくなる「いつの日か、必ず実物を見てやる」と。

目次

プロローグ はじめに...ありき
好運待ちのゲーム
ゲームの一員となる
探索のはじまり
贋作と傑作
“贋作の絵”
十字架
隠し撮り
過酷な条件
一縷の望み
老いた通人の歌
思いがけぬ発見
ピンぼけ写真
チェスゲーム
憎しみの連祷
告白
前進あるのみ
真夜中の鐘は鳴る
名匠ヒューゴ
懺悔する者たちの王
エピローグ 学者、ライヴァル、スパイ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

87
著者は後にメトロポリタン美術館の館長となったトマス・ホーヴィング。駆け出しキュレーター時代、中世美術品”象牙彫り十字架”の、権謀術数を尽くし獲得にかけた物語。つまり実際の話を当の本人が書いている。本職なので美術品評価や真贋見極めはリアル。逆にプロ作家でもないのに読者を惹きつける力に驚く。自尊心が強く優柔不断な上司ロリマー館長との心理戦や”謎の十字架”所有者・正体不明の怪人トピーク・ミマラとの粘り強い交渉。グイグイ引き込まれるが、ホーヴィングの余りにも自信満々で容赦ない他人の評価には、実話だけに些か鼻白む。2022/02/08

星落秋風五丈原

20
「ミイラにダンスを踊らせて」の著者がメトロポリタンの学芸員だった時に 実際に経験したキリストのイコンを巡っての美術館同士の争奪戦を描いたもの。 ヨーロッパや香港を舞台に、まるでスパイ小説もどきの活躍をする学芸員たち。 美術品そのものの真贋や謎も絡んで、美術品市場の裏側なども楽しめる。2006/07/04

Koki Miyachi

8
メトロポリタン美術館の若きキュレーターが、世紀の秘宝と呼ぶに相応しい十字架を数多くの競争相手に競り勝っていかに手に入れるか、というノンフィクションと呼ぶには余りにドラマチックなストーリー。著者はそのキュレーターにして後のメトロポリタン美術館館長である。本職の作家ではないのに、作家顔負けのストーリーテリングのパワーに圧倒された。他の著作も読みたくなって調べてみたら、残念ながら2009年に逝去されたらしい。それでも何冊か美術に関する著作があるようなので、是非フォローしてみたい。2017/03/18

OKKO (o▽n)v  終活中

3
知人に勧められて図書館。◆メット元館長の若き日々の冒険談? 苦労話? はたまたハッタリ満載のホラ話? 私の分析では、魚の骨に当たるのが怪人ミマラとのむかつくような駆け引き、身に当たるのが問題の象牙十字架の謎解きの面白さ、そして肝に当たるのが「美術品と対峙するときにはこうあるべし」というプロの姿勢とノウハウ。ここまでやらなきゃ芸術作品の謎解きはできないぞ、と心底思い知らされる一冊。 ◆愛読書『ツタンカーメン秘話』がこのホーヴィングの著作だと全く知らなかった間抜けな私。本の読み方を見直す必要がありそうだ。。。2013/07/24

サザエ

2
20年ほど前、かってメトロポリタン美術館の館長であったトマス・ホーヴィングの「謎の十字架」を読んで、あまりの面白さに次々と彼の著書を読みました。 週末本棚の片づけをしていて久しぶりに手にしてまた読んでいます。美術館の経営や内情がリアルにかかれており、実際に美術館を訪れた時、ちょっと思い出してより一層楽しめました。ホーヴィングさんの自信満々なところが、ちょっと、というところもありますが…2021/03/25

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