びいどろの火

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163298603
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

奉公人の子・佐登は縁あって富裕の太物問屋に嫁したが、夫がいつになっても体に触れようとしない。そのうち江戸の役者と深間におちて。

内容説明

武家の日陰者から富商の内儀となった佐登。体に触れぬ夫に途惑ううち、江戸下りの役者と深間におちていく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アルラ

14
奥山さん初読み。恋愛一般、ましてや不義密通ものは苦手分野なので、様子見のつもりが深みにはまってしまった。主人公の佐登という女性は男性からみたら理想の人ではないだろうか。心根のまっすぐな思いやりのある情け深いかわいいひと(遠い目)義理の弟市之進、夫の善吉、そして役者の志のぶ…それぞれの男たちが、知らず知らずのうちに深く彼女を愛してしまう。うまいなぁと感じたのは、義理の妹波留や遊び女の桔梗なども含め、各々のこころの微妙な動きを丁寧に表していることだ。読後は切なくしみじみとした余韻が残る秀作。(続く)2011/10/24

ケイプ

13
だいぶ前、テレビ番組の小さなコーナー。年老いた夫婦が仲良くベンチに座り、おじいちゃんがおばあちゃんに「大好きだよ。」とささやいてチュッ、そしてそっと優しく手を握る。毎回そのコーナーの二人を見ているとじわーっと涙が滲んできてました。その夫婦がどんな時間を共有してきたのか私にはわからないのに。この本を読み終えた時にこの時の気持ちがよみがえりました。たった五ページの「序」だけれどそこに全てが語られているように思います。最後まで読んでまたあらためて「序」を読みました。心の琴線にふれる一冊でした。2014/10/06

高橋 (犬塚)裕道

7
星4。一人の女を軸にその周りの様々な人の人間模様を描いた作品。面白かった!実は中々良い話。2023/01/30

めにい

6
佐登の心情に心が痛くなった。辛抱する、自己表現をしないことが身についてしまっている哀しさ。ふれあいがなく言葉が足りないので心が通じないもどかしさ。荒涼とした心しか持たない志のぶが素直になるくらい優しさいっぱいの佐登なのに、これだけの悲劇がないと夫と打ち解けられなかったのが悔しい。2015/02/23

あかんべ

5
初めて読む作家さん、そしてこの題と、表紙の絵。本屋で手に取ったら戻していたかも。結論として読んでよかった。しっとりとした内容。そして読み終わったあともう一度序文を、読んでしみじみと押し寄せる感動。広く読んで欲しい。2011/08/22

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