東慶寺花だより

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  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163298009
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

江戸時代、虐げられた女たちは鎌倉の東慶寺に駆け込み、夫との離婚を訴えた。夫婦の絆と「ゆるし」を描く、静かな感動に満ちた連作短篇。

内容説明

「どうしても夫と別れたい」。離婚を望み、決死の覚悟で駆け込み寺にやってきた女たち。けれどもその理由はどれもこれも一筋縄ではいかなくて…。夫婦の絆、名もなき人々の強さ、生きる喜びを謳いあげた遺作。

著者等紹介

井上ひさし[イノウエヒサシ]
昭和9(1934)年、山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲「日本人のへそ」、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。47年「手鎖心中」で直木賞受賞、54年「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞、翌年読売文学賞戯曲賞を受賞。56年「吉里吉里人」で日本SF大賞、翌年読売文学賞小説賞を受賞。平成11年、菊池寛賞受賞。16年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やま

113
鎌倉の四季折々の美しさが…。信次郎は、人柄が良く、見習医師であったが、滑稽本「蚤蚊虱の大合戦」を出したら、これがそこそこ当たり鎌倉の縁切寺・東慶寺の門前にある御用宿柏屋に逗留して執筆をしているが、どうしても2作目が書きあがらない。そんな時に、夫と離縁したい女が駆け込んでくるのをお世話しているうちに、女達の内情に触れ心を動かして行く様子を15編の短編で綴ったものです。所々に笑いを含んだ物語が楽しくて、途中で読むのを止めることが出来ませんでした。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。★★★☆☆2021/09/04

いつでも母さん

95
そうか、これが『駆け込み寺』のことだったのか・・井上ひさしの作品は日頃あまり手にすることが無かったので(汗)短編15編。それぞれに思いのほか良かったなぁ。いつの時代も虐げられる女たちの逃げ場所はないんだ・・いや、男も苦しいのだとは思うのだがね・・思わず「ガンバレ!」「もう少し」「早く・・」「嗚呼」とか思ってた私。が、結局強いのは『おんな』なんだと思ったりもして(汗)色々思うところはあるものの、面白く読了した次第。2015/07/28

mint-s

60
駆け込み寺「東慶寺」にやって来る女たちの短編集。医者の卵で滑稽本作者の信二郎目線で語られる。夫が好きで仕方ないのに離縁状を求めたり、親離れできない夫に我慢できなくなったり、時には芝居の女形が来たり、離縁を望むその理由が様々で面白かった。いろんな夫婦がいるもんだ。2021/01/26

55
映画になったので長編かと思ったら短編でした。離縁を望む女たちが駆け込む東慶寺。それぞれの夫婦にそれぞれの事情があり、東慶寺に駆け込む理由も様々。離縁といえど悲しい別ればかりではありません。ほっと心が和むような事情もあって楽しめました。2015/12/29

アイシャ

50
鎌倉にある東慶寺は、離縁を切望する女性の逃げ込み寺。門前にある御用宿に居候している信次郎がおもしろい。見習い医者にしてひよこ作者、しかも御用宿柏屋の手伝いもしている。逃げ込む女性のいきさつは様々。時には男性が逃げ込んできたりもする。元のさやに納まるものもあれば、男性によるあまりにもひどい仕打ちもある。鎌倉の季節の移り変わりとともに、この逃げ込み寺のシステムや当時の結婚の様子がよくわかる。結婚も、寺の中も、お金がものをいうのには驚いた。女性を匿うにもお金がかかるのは当然なのでこれは致し方ない。映画も見よう。2020/07/14

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