マルガリータ

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163295107
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

戦国末、九州の大名らによって4人のキリシタン少年がローマに派遣され、熱狂的な歓迎を受けた。だが、彼ら天正遣欧少年使節を故国で待っていたのは、禁教令だった。
4人の内、ある者は道半ばで倒れ、また国外に追放され、拷問の中で殉教した。ただ1人、キリスト教を捨てたのが、千々石(チヂワ)ミゲルだった。
キリシタン達の憎悪を一身に受けながら、ミゲルは何のために生き抜こうとしたのか。その苦悩の生涯をミゲルの側で暮らした女性・タマの視点から描く。歴史の謎に大胆に迫った超大型新人の登場。

内容説明

戦国末、ローマに派遣された天正遣欧少年使節。八年後に帰国した彼らを待っていたのは「禁教」だった。四人の内、ある者は道半ばで倒れ、国外に追放され、拷問の中で殉教する。だが、千々石ミゲルだけは信仰を捨てた。切支丹の憎悪を一身に受けながら、彼は何のために生きようとしたのか?ミゲルの苦悩の生涯を、妻「珠」の目から描く傑作。

著者等紹介

村木嵐[ムラキラン]
1967年京都生まれ。京都大学法学部卒業。2009年「春の空風」が松本清張賞候補となる。2010年、本作品で第十七回松本清張賞受賞。現在は、故司馬遼太郎氏夫人・福田みどりさんの個人秘書を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Maybe 8lue

48
「天草四郎って死んだ旦那の子?」と尋ねてきた役人に「その子いくつ?え、私が45の時の子?」ないわ〜(笑)と返す珠は、ローマに派遣された使節団の1人千々石ミゲルの妻であり修道士をやめ大村喜前に謀られ棄教し利用された上、キリシタンから酷い目に遭う夫を常に支える「マルタ」だった。マンショの病死、マルチノのマカオ追放。妻と離れて15年のミゲルに匿われジュリアンは司祭として信者の殉教だけは避けたいと勤めていたが遂に捕まり失意で食を拒んだミゲルは死に、棄教を拒んだジュリアンは穴吊しで4人分の4日耐えて死ぬ。2015/01/12

R

45
天正遣欧使節を扱った歴史小説でした。時代としてはよく見かけるのに、中身を知らない典型だと思いつつ、とてつもない苦難に見舞われた四人の生涯を描いた物語。信仰や政治と関係のない女性からの視点を交えつつ、自分の力、神の力といったものとは別の大きなものに遭う様が悲しげに描かれていました。どこからがフィクションなのかはわからないけども、さもありなんという人々のなしように、非常に考えさせられました。2016/12/02

ソーダポップ

41
戦国末、九州のキリシタン大名であった大友宗麟、大村純忠、有馬晴信が、四人の少年を名代としてローマに派遣する。彼らはヨーロッパ各地で大歓迎を受け、ローマでは法皇にも謁見する。しかし、八年後に帰国した彼らを待ち受うけていたのは禁教であり激しい弾圧だった。四人の内、ある者は道半ばで倒れある者は、拷問のなかで殉教する。そのなかでただ一人、千々石ミゲルは信仰を捨てる。ミゲルの棄教の謎をめぐって、ミゲルの妻となった珠(たま)という女性の目を通して、その謎に迫った作品です。人間の弱さ業が描かれている素晴らしい著書でした2021/11/28

それいゆ

33
天正少年使節の4人の中で唯一棄教した千々石ミゲルの子は天草四郎だという説があり、この作品もそのことが大きなテーマとして描かれているのだと理解しています。真実かどうかは別として、そうあって欲しいと期待する気持ちも大です。その方が何となくロマンがあり、キリシタン弾圧を描いた壮大な物語が完成することになります。2013/11/07

及川まゆみ

24
第17回松本清張賞作品。天正遣欧少年使節の千々石ミゲルの帰国後の話。彼らを扱った話は少ないので着眼はいいと思う。棄教したミゲルと天主教を全うした3人の苦悩が考えさせられる。特に日本における殉教についてが。後半のバテレン追放令のくだりは感動的だ。私達は4人で一つ。追放されたマルチノや壮絶な殉教を遂げたジュリアンとミゲルのやり取りは胸に迫る。だからこそ妻の珠と伊奈姫の女の嫉妬話は浮いてしまい勿体なかった。徹底して4人を掘り下げれば…いや、帰国後の資料の少なさを考えればよく書ききったと感服。でも…→2012/07/20

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