浅草のおんな

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163294506
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

浅草の小料理屋「志万田」は、女将の志万がつくる料理と人柄を慕って、連日お客が絶えない。現代小説の名手が描く下町情調。

内容説明

浅草の小料理屋「志万田」はカウンターに七人座れるほどの店で、女将・志万の料理と人柄に惚れた常連客で賑わっている。志万は十七歳のときに惚れた男を追って天草から出てきたが、悲しい別れの後、この土地に店を構えた。三社祭、ほおずき市、隅田川の花火大会…下町情緒あふれる浅草を舞台に、常連客の恋の鞘当てと揺れ動く志万の女心、そしてこの街で助け合って生きていく人たちの美しさを描いた傑作小説。

著者等紹介

伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年山口県生れ。81年短編小説「皐月」でデビュー。91年『乳房』で第十二回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第百七回直木賞、94年『機関車先生』で第七回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第三十六回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゆのん

61
浅草の小料理屋の女将、志万と周囲の人々の物語。志万が浅草に根を下ろすまで悲しく辛い過去があるが、読んでいて共感できない部分が多かった気がする。恐らく人間臭く書かれているからだろう。その反面、常連客であるカッチャン、三代目の語る台詞に心打たれた。浅草という人情味溢れる町での季節の移り変わりが美しく書かれていて、ゆっくりブラブラと歩きに行きたくなる。292020/01/28

とりあえず…

29
得も言われぬ艶を帯びた作品。情緒あふれる浅草で、小さな小料理屋を営む志万。三社祭に屋形船。登場する人物、料理、景色、季節の花。隅々にいたるまで手をかけてありながらも肩の力の抜けた佇まい。作者ご本人も色気のある方ですが、この作品も大人の色気漂う上質な作品でした。2016/11/30

がいむ

15
伊集院さんは、文章はさらりとしているけれど作品全体の雰囲気が魅力です。義理と人情、男と女を粋に艶っぽく描きながらも、どことなく哀しみがただよう感じがします。浅草の小料理屋「志万田」を舞台に、女将の志万と常連のお客さんたちとのできごとを綴った短編連作。隅田川の花火を描いた「花火のあとで」が季節柄かよかった。お店の準備を淡々とする場面も好きです。常連客のちょっとしたひとことも楽しめる大人の小説です。2011/06/23

りんりんきりん

10
思い人を追って浅草にやってきたが、思いを遂げられず憔悴していた志万を 救ったのは留次だった。志万は浅草で第二の人生を送り始める。 小料理屋「志万田」で織りなす、浅草ならではの人情話にうるっときたり、志万の粋な生き方に感心したりと読後感も爽やかな大人の読み物。 ちょっと、男性目線のいい女に書きすぎな感じもしますが、女も志万さんに 惚れちゃうかも?2015/01/07

みさと

9
浅草で生まれ変わった小料理屋の女主人、志万の話。志万を始めとする登場する人物が優しく人情味溢れる一方で、ただ綺麗なだけではない人間味も感じられそこが良い。志万が妾であることもそうだが、前半のお人好し全開の展開から一転した後半の戸惑い展開も、綺麗事だけでは生きれまいと思わされる。言葉遣いや言い回し、季節や料理等の描写が美しいのはさすが伊集院静。綺麗な小説にありがちな素朴さはなく最後まで色々な感情が起こり、粋な人間の様々な言葉に学ばされることがある。現代、聞くことのなくなった言葉の数々が心を鷲掴みにする。2018/02/25

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