出版社内容情報
秦の始皇帝の死後に勃興してきた楚の項羽と漢の劉邦。2人の「将」をめぐり活躍したさまざまな異才・俊才10人の知られざる姿を描く。
内容説明
霸を競う項羽と劉邦、かれらに仕え、乱世を戦った異才・俊才十人の肖像。
目次
楚漢の時代
張良
范増
陳余
章邯
蕭何
田横
夏侯嬰
曹参
陳平
周勃
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945年、蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事、創作をはじめる。その後帰郷、ながい空白ののち「王家の風日」を完成。91年、「天空の舟」で新田次郎文学賞、「夏姫春秋」で直木賞、93年、「重耳」で芸術選奨文部大臣賞、2001年、「子産」で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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俊
19
楚漢戦争時代に活躍した人物10名を紹介した本。各人に割かれたページ数は少ないけれど、要点をしっかりと押さえているので、物足りなさは感じない。また個人の行跡だけでなく、楚漢戦争の大まかな流れや、当時の制度・文化を知れるのが良い。ただ韓信好きとしては、いくつかの章で触れているとはいえ、韓信個人の章がないのは少し残念だった。淡々とした文体で簡潔に纏めているので非常に読み易い反面、小説的な面白さを求める人には少々退屈かもしれない。2015/04/30
まえぞう
16
再読。3冊目は楚漢=項羽と劉邦の時代です。この時代の話しを読んでいると、簫何や曹参をはじめとして、劉邦の出身地あたりの人物がずいぶん活躍するのが目につきます。立ち上がったとき近くにいた人が傑物だったらから中華を統一できたともいえますが、数千年の歴史の中でもトップクラスの英傑がたまたまこの時期に同じ場所に集まるものでしょうか。やっぱり、時代が人を大きくするということが正解なんでしょうね。2022/05/08
うまとら(仕事が多忙のため休止中)
16
うーん。それほど発見がなかった。もっと見新しい情報がないとねー。やっぱり司馬遼太郎の項羽と劉邦の衝撃にはほど遠い。2010/10/12
Smileえっちゃん
4
宮城谷昌光さんの作品は介子推から入り太公望、楽穀、晏子、香乱記などほとんど読んでるかな…1冊の本を読むのと違って1冊の中にまとめてしまってるので物足りなく感じる部分と、関わり方の部分で解りやすいかなと思った。2012/07/05
鴨の入れ首
2
楚漢戦争すなわち項羽と劉邦の時代の英傑たちを取り上げた列伝です。同時代の英傑たちの生涯を追うことによって、項羽と劉邦の人物像が浮かび上がるのが興味深いですね。時代が激しく動いた乱世だからこそ、ひとりひとりの男の生きざまと本質が問われるものなのですね。史記や漢書の記述とはまた異なる新しい視点から読むことができ、大変面白かったです。2024/12/20