虚報

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  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163288703
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

連続自殺事件を追う新聞記者。大学教授が運営している「自殺サイト」の影響か? 事件の真相に迫る記者が陥った思わぬ「落とし穴」。

内容説明

東日新聞長野支局から東京本社社会部へ異動してきた長妻厚樹は、「ビニール袋集団自殺」を取材していた。何人か集まり、睡眠薬を飲んだ上にビニール袋をかぶって窒息するという手口の自殺が全国で頻発していたのだ。この自殺に有名大学教授のサイトが影響していると週刊誌がスクープ。さらに、この大学教授が記者会見を開いたことで報道は過熱する。社会部キャップの市川博史の指示で取材に駆け回る長妻。しかし、東日新聞は他紙がスクープ記事を出す中、常に遅れをとっていた。追い込まれる市川と長妻。そんなとき、一本の電話が―。守りのミスと攻めのミス、若き記者に降りかかる迷いの一瞬。警察小説の旗手の新境地。

著者等紹介

堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説の執筆をはじめる。2000年に『8年』で第十三回小説すばる新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゆみねこ

34
新聞社の内情がよく描かれていると思ったら、堂場さんはもと新聞社勤務と。なるほどと納得。東日新聞の長野支局から本社へ移動してきた長妻が一匹オオカミ的な先輩市川の指示で取材に奔走する。自殺を唆すサイトを運営していたとされる大学教授を追い、関係者を追う。スクープを追うあまり、周りが見えなくなることってあるのかな。面白かったとは言い難いけれど、考えさせられる内容ではありました。2012/11/01

nyanco

28
大学教授・上山が運営していたHPに影響されてのビニール袋集団自殺事件。神山は自殺幇助の容疑で逮捕される。事件そのものも興味深いが事件を追うブンヤ達の物語が面白い。ベテランと新人のコンビ、ルーキーを育てようとする市川と、その市川の真意が伝わらず先走ってしまった長妻、二人の対比が見事に描かれていました。ブンヤと呼ばれる新聞記者たち。社会部と記者クラブ詰めの対立、本社と支局の上下関係、地方回りの記者の存在などなど、未知のブンヤの世界に足を踏み入れると一気にのめり込んでしまいました。続→2010/02/06

ケイ

17
虚報はどれかと思いながら読み進め、長妻まさかっ!確認しろ!とこちらがドキドキしました。上山の動機とか、それしかないと予想がついたり残念なところもみはじばしにありながらも、ラスト間近での伴が去ったあたりの市川と長妻のやりとり、また新幹線の中でのシーンがとてもよかった。このままでは嫌な読後感が残るかと心配していたので、最後にうまく収束してくれてよかったです。2012/05/05

ゴリ

16
スクープ・・それは何ものにも代え難く、記者は全てをなげうってスクープを追い続ける。他紙に抜かれることによる焦り、仲間のねたみ、それらが記者の判断をにぶらせる。書きたい!書けば勝てる・・誘惑が記者を「虚報」に導く。新聞記者の作者だからこそ書ける、ギリギリの記者の心情が読者を魅了する。2010/05/12

たくぼん

11
★★★★☆やはり、ハードボイルド。正統派。ダンディー。そんな言葉が似合う文章。堂場さん、新聞社に勤めながら小説を書いたとのこと。巻末の解説からだが、ひょんなことからその情報を、この小説を読む前に知り、とても親近感がわき、この内容も、それだからゆえに臨場感があるのかと、思うところが多々あった。新聞記者って、時間のサイクルやタイミングなんかもまったくわからない世界の人だったので、垣間見れた感があった。。スポーツ小説も面白いが、やはり、本格派もいいなぁ。2013/01/06

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