出版社内容情報
日本近代美術の黎明期にオルガナイザーとして君臨した岡倉天心が自ら描いたという仏像画は果たして本物なのか? 表題作など5篇。
内容説明
近代日本美術の父・岡倉天心の直筆画が発見された!?「筆を持たない芸術家」と呼ばれた天心の実作はきわめてまれだが、神永はズバリ、破格の値をつけた。果たして本当に天心の作なのか。
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
昭和46(1971)年、群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。平成15(2003)年、「キッドナッパーズ」で第四十二回オール讀物推理小説新人賞を受賞。18年に『天才たちの値段』で単行本デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
109
内容よりも、知らない言葉や表現が使われていることに興味が集中して、自分の語彙の乏しさを痛感。月鼈の差、豺狼、蹣跚、嘖々、伎癢、霧涌、驕人、矯激。一発変換できた語も多いので、益々己の無知を思い知る。イヴォンヌはあまり好きじゃない。佐々木と神永はちょっとBLっぽいと思ったが、最終話であれ?時計の話が一番好き。2019/03/20
mariya926
101
なんとシリーズの2冊目でした。どうりで出だしから入り込めなかった訳ですね。イヴァンヌとか良く分かりませんでしたし(笑)。しかも美術探偵だったとは。ミステリーだとは思いつつ読み、作者の博識振りには驚きましたが、逆にそれが物語を難しくしていた気がします。マハさんのように、もう少し分かりやすかったらもっと読まれたかも?私も全読はしたものの、未だに良く分かっていません。この作家さんの本は好きで、全部読んでみたいとは思っていますが、少しずつ時間をかけて読んでいきたいですね。2024/02/15
真理そら
48
またシリーズの2作目から読んでしまった。が、短編集なのでこれはこれで楽しく読めた。『マリーさんの時計』は舞台が地元なので親しみを感じたが、街の様子が描かれていないのが残念。そのマリーさんだとは思わなかった、という驚きと中年過ぎた二人の不器用な恋がいじらしい。岡倉天心は名前や業績は学校で教わったけれど、こういう人だったのかという再確認ができて良かった。2019/05/29
みっちゃん
31
今作も日本画・西洋画に時計の謎と、バラエティに飛んでいてとても面白かった。神永さんがイヴォンヌを支援する理由がいまいちわからないし、「レンブラント光線」の恋愛感情が唐突に感じたが、続編で明らかになるかと期待。2015/06/04
nyanco
28
いきなりのイヴォヌの襲撃で物語がスタートする感じがとても良く、思わず喰いついてしまいましたw。タイトルの『距離』の意味がじんわりと伝わってきてとても良い感じ。神永の傍にいてもがいていた佐々木が、距離をおいたことで少し気持ちが落ち着き、空間の距離は心の距離ではないと思わせる神永の佐々木への気持ちが嬉しい。神永の得意な才能よりも今回はどちらかというと佐々木主導で進む感じが何故か好ましい。『文庫本今昔』と『マリーさんの時計』が良い感じ、神永の父、古書店のオヤジさんのエピソードも楽しい。続→2010/03/10
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