内容説明
日本橋の高札場で、元盛岡藩士が切腹した。背景には、盛岡・弘前両藩の二百数十年にわたる確執があるらしい。旗本の嫡男・神木光一郎は、盛岡出身の剣豪・相馬大作と親交を深めるうち、大藩の存亡にかかわる真実を知ることとなるが…。
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説執筆を開始し、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞受賞。08年、『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
32
南部・津軽の確執は、何となく知ってはいたものの、これは史実に基づいた小説だったとのこと。相馬大作の真っ直ぐな生き方は、江戸の庶民には受けたのだろうが、お家のために切り捨てられた感が強く気の毒なことだと思う。主人公光一郎と重吾、松平冠山など、作中の人物は中々魅力的で面白く読めた。2013/09/17
金吾
29
第三者から見た相馬大作事件です。当事者ではないために見方が面白かったです。相馬大作事件に集中してくれたら、更に良かったです。2023/10/01
のぶひこ
13
相馬大作事件がベース。実はあまり知らなかったので読後ちょろっと調べてみたら面白かった。盛岡藩と弘前藩の確執ってハンパないものがあった様子だけど、こりゃ大変。いろんな思想や思惑があって、誰しもがいつでも仲良しこよしとはできないのはいつの世も同じ。2015/08/23
如月小町
8
武士が信念を持って生きるというのは、なかなか難しいものなんだなぁ。読み終わってから、表紙の石割桜が大作と重なって悲しく見えた。光一郎の父親のビビビ婚には笑えた。2015/04/22
時任ウロ
7
どっちがどっちの藩だかよく分からないまま読み勧めてしまいました。大作の気持ちが本当に大きなもので最後まで責任を取っていく姿が武士らしいと思う。周りで見ているほうは悲しさを覚えずにはいられないのだろうけれど、少しでも気持ちを汲んでくれる人がいるならそれは幸せなことだと思う。時代や立場でそのようにしか生きられない人と言うのはいるものだと思うのです。2015/04/06
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