ドンナ・マサヨの悪魔

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163281902
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

赤ん坊は謎だ!「おれは長い旅をしてきた者だ」娘の体内から不気味な声が語りかけてくる。声の主はいったい何者なのか?生命誕生の神秘に迫る傑作長篇。

著者等紹介

村田喜代子[ムラタキヨコ]
1945年、福岡県八幡生まれ。77年、「水中の声」で九州芸術祭文学賞を受賞し文筆活動に入る。87年、「鍋の中」で芥川賞受賞。90年、『白い山』で女流文学賞、92年、『真夜中の自転車』で平林たい子賞、98年、「望潮」で川端康成文学賞、99年、『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。2007年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なゆ

61
お腹に宿った赤ちゃんって、大概エンジェル的存在に描かれることが多いのに…なんと村田さんはやけに失礼でじじむさいアクマにしてしまった。イタリア留学中の娘香奈が妊娠し、お相手パオロと共に家に転がり込んできてから出産までのひと騒動。こんな事態で、かつなんと娘のお腹の中から「ばあさん」だの「老女よ」だの呼びかけられてしまう母マサヨの動じなさがいい味だしてる。愛の国の男パオロの陽気さと、愛のない国の男の夫タカヒロの不機嫌さも可笑しみたっぷり。アクマの語りも、地球と子宮と生命と死といった壮大さで、読み応えたっぷり。2015/08/07

naoっぴ

58
うーん奇妙な話!?妊娠ファンタジーとでも言おうか。妊娠した娘のお腹から突然低い男性の声が語りかけてくる。「おい、ばあさん。」これはもしや胎児の声か?彼は時に人格を変化させながら「私」に話しかけ、ある時は太古の生命誕生から二足歩行の人類になるまでの歴史、そしてある時は子孫を残すための性愛の素晴らしさ(?)を説く。分別ある「私」と胎児(と思われる)アクマとの会話は最後までちぐはぐ。コミカルな話運びで時に笑わせてもらえるけど、最後まで不可思議な話でした。私にはテーマが読み取れず。解説があれば読みたい…(^^;2015/09/30

カナン

42
留学中の娘が妊娠し、急遽恋人と帰国してきた。それを見守る母マサヨとその夫。家族の物語と見せかけてこの作品が異質なのは、娘のお腹の中からまだ生まれ出でてもない子が「アクマ」としてマサヨに話しかけてくることである。女というものが何であるのか、雄と雌に分かたれて、互いがなければ子孫を残せないという極めて非効率な人間の面倒臭さと愛おしさが非常にユニークに描かれている。妊娠も出産も、美しい奇跡でも神の祝福でも愛の証でもなく、女がその腹に「異物」を孕むということだと書き切ってみせたのが素晴らしい。そしてパオロ可愛い。2014/12/01

momi

40
生命誕生の話を可笑しく楽しい話にしたら、こうなりました!って感じ!赤ん坊が悪魔におもえてしはうほど…ある日突然芽生えた命に、あわてふためく様子が書かれている。結婚生活30年のマサヨ、娘ははイタリア留学中に妊娠、日本に帰って出産することになった!マサヨは耳が特異体質のため、犬や猫達と人間の言葉で会話をすることが出来ます!そんな彼女の耳に…ある日「ばあさん!」と語りかける声がきこえて…。まさか…娘のお腹の中の孫!?娘の出産までのドタバタぶりをユーモラスに描かれています!ちょっと好みではないけれどね…。2015/09/07

えりこんぐ

37
娘が妊娠し、イタリア人の夫と共に里帰りする。そして母・マサヨは娘のお腹の赤ちゃんと会話ができる!、、、ほのぼのしそうな光景だけど、胎児は年寄りじみたおかしな語り。ちっともなごまない奇妙な対話だった(・・;) ファンタジー?と出産までの超・現実。何事にも動じないマサヨさん、陽気なイタリア婿がおもしろい。2015/09/15

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