出版社内容情報
心温まるポエジーと、不思議の世界に迷い込んだかのようなファンタジーの傑作選。数々の受賞歴がある詩人の、3年ぶりの短篇集!
内容説明
心あたたまる話、不思議な話、どこかへおでかけしたくなる話…当代きっての文章家がおくる、10の物語。
著者等紹介
高橋順子[タカハシジュンコ]
1944年、千葉県海上郡飯岡町(現・旭市)生まれ。東京大学仏文科卒業。「歴程」同人。1977年、第一詩集『海まで』を刊行。1990年、『幸福な葉っぱ』で現代詩花椿賞。1996年、『時の雨』で読売文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
土瀝青
14
図書館本。日頃、常識には起こらないようなことが本の中では次々と起こる。知らないはずの不思議な世界を映像でぼんやり眺めているような気分になりました。ちょっと、ぞわっとするようなシーンもあるけど、どれも不思議で眩暈がしそうな、だけどふわふわとした気持ちになりました。船旅は素敵だったけど、この本だけでおなかいっぱいになりました。2017/05/02
あつひめ
12
高橋さんの作品初読み。数行読んでゾクゾクした。ホラーのような背筋も凍るゾクゾクではなく、何か得体の知れない世界に踏み込んだ時のワクワクとゾクゾクが混じった感じ。猫という動物のようで妖怪のようで人の心を手にとるように理解できる猫が物語の道案内のようで・・・一気に読んでしまった。もしかしたら私たちの身近な町の片隅であった出来事かも・・・と物語と現実の世界の境目が見えなくなりそうな作品。高橋さんの他の作品も読んでみたい。2010/02/26
ななさと
9
夢を見ているような不思議な雰囲気が楽しめた。表題作が好き。2010/10/29
くさてる
8
綺麗なイメージとやるせない現実と、忍び寄ってくる怖さが詰まった、大人のための童話集。岸田今日子の一連の作品を連想しました。2014/04/06
バニラ風味
5
緑色も石も猫も好きなんだけど…この短編集は…??です。ほとんどの話において、なぜ、突然そういう展開になるのかわからないし、その話のオチというか意味は?と、読後、頭をひねるものばかり。それを「独特の味がある」というのかも知れませんが。花、猫、海、島と、話中に出てくるキーワードには、そそられるんだけど~、なんだか消化不良になりそうな後味でした。2013/08/19