内容説明
加賀百万石の繁栄と平和を築いた前田利常、光高、綱紀の知られざる運命。全三部の華麗なる歴史絵巻、ついに大団円へ。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県生まれ。東北大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆活動に入る。87年に『明治新選組』で第十回エンタテインメント小説大賞、93年に『五左衛門坂の敵討』で第一回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第百十一回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第二十四回新田次郎文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Eiichi
24
この巻は、前田綱紀のお話が中心で、利常が名将だった事は知っていたが、綱紀の功績については知らないことばかりだった。加賀百万石を数百年も守っていられたのは簡単には出来ないことだった。改めて感心した。2015/05/26
らいおねる
6
綱紀という藩主のもとにどんどん治政の時代へと向かっていく。前田家の話であるんですが保科正之の良さが伝わってきます。あと本好きとしては金沢の図書館に行きたくなりました。上中下巻を通じて如何に前田家が波乱の時代から治政の時代へとシフトして取潰しが多かった時代を生き抜いたかがわかりました。2025/01/26
onasu
2
加賀百万石前田家、3代目から5代目までの歴史もの。1世紀を越える大作を楽しめました。 下巻は、その中でも名君:綱紀が主人公で、後見役にして岳父:保科正之への師事と藩政改革、将軍家との良好な関係作りが語られていきます。保科正之は、4代将軍:家綱の他に前田家の幼君も後見し、家綱の治世、前期の最有力者だったのですね。文治の政の草分けで、その新しい政治思想を綱紀が受け継いでいきます。当たり前ですが、前田家は大藩ですね。 下巻は、名脇役がおらず、駆け足でその生涯を網羅したようにも感じられました。2011/04/12
ぶーにゃん@積ん読本解消中
2
加賀前田家の五代目綱紀の一生を描く。領国をいかに文治として民に思いやりを示し危機に臨んでは果断となるか。まさに金沢を隆盛にした加賀百万石の手法に納得です。2009/03/02
バリバリブーン
1
保科正之と前田綱紀の交流を通して、武断政治から文治政治に変わりゆく様をうまく表されていて中々味わい深かったです。2015/08/29