内容説明
キャサリン・ダンス―カリフォルニア州捜査局捜査官。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才。いかなる嘘も、彼女の眼を逃れることはできない。ある一家を惨殺したカルト指導者ダニエル・ペルが、脱獄、逃走した!捜索チームの指揮をとるのはキャサリン・ダンス捜査官。だが、狡知な頭脳を持つペルは大胆に周到に裏をかき、捜査の手を逃れつづける。鍵を握るのは惨殺事件の唯一の生き残りの少女テレサ。事件について何か秘密を隠しているらしきテレサの心を開かせることができるのは、尋問の天才ダンスしかいない…。ハイスピードで展開される逃亡と追跡。嘘を見破る天才ダンスvs他人をコントロールする天才ペルの頭脳戦。「言葉」を武器に悪と戦うキャサリン・ダンスの活躍を描くジェフリー・ディーヴァーの最新作。ドンデン返しの魔術師の超絶技巧がまたも冴えわたる。
著者等紹介
ディーヴァー,ジェフリー[ディーヴァー,ジェフリー][Deaver,Jeffery]
1950年、シカゴ生まれ。記者、弁護士を経て、『汚れた街のシンデレラ』(ハヤカワ文庫)で作家デビュー。リンカーン・ライム・シリーズ最新作『ウォッチメイカー』(文藝春秋)は、2007年末の「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」の双方で1位となり、日本冒険小説協会大賞も受賞するなど、絶賛を浴びた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
101
ライムシリーズ『ウォッチメイカー』で登場のキャサリン・ダンス主役の贅沢なスピンオフ作品。相手の細かい仕草から深層心理を探るキネクシス、この捜査の面白さは他作品で体感済。これがディーヴァーにかかれば外すはずがない!なるほど証拠少なく展開する事件には、ライムでなくダンスだ!逃走犯ペルとの先手を打ち一寸を争うせめぎ合いに引き込まれ、少し抑え気味のどんでん返しも楽しめるジェットコースターは健在。“スリーピング・ドール”の登場が遅めなのと、思った通りの黒幕がちょっと残念…2016/11/19
W-G
101
ライムシリーズに食傷気味になり、なかば消化試合的に読み始めた今作ですが、すごく新鮮に楽しく読めました。ディーヴァー的などんでん返しは共通ですが、主人公が変わると途中経過が全然別物。主人公が動く・移動する(笑)、微細証拠物件からの手掛かり一切無し(笑)(ライムを友情出演させる為だけのフェイクが一ヶ所だけあったけど)。今作のような事件にはたしかにダンスが合っている。ダンスとオニールのコンビも本家ライムコンビに負けない。キネシクス自体は勘のいいベテラン刑事と大差無し。事件を選ぶタイプの主人公ですが、続編も期待。2016/05/29
おたま
79
リンカーン・ライムのシリーズの『ウォッチ・メイカー』に登場した、「キネシクス」という心理的な方法で鋭い尋問をするキャサリン・ダンス。彼女を主人公とした新しいシリーズの第1弾。対するはカルト集団のリーダーと目されるダニエル・ペル。どちらも他者の心理を分析したり、コントロールすることに長けている。物語全体も登場人物たちの心理面に重点を置いているのが新機軸。が、後半からはやはりディーヴァーだけあって、サスペンスフルな先の読めない展開となっていく。もう少しキネシクスによる尋問の場面を前面に出してほしかった。2022/05/17
財布にジャック
76
ディーヴァーにしては単調なお話なのにも係わらず、分厚い本なのにグイグイと引っ張られて読むのが止められないのは、恐らく主役のキャサリン・ダンスの魅力のなせる業だと思います。彼女のキネシクスという能力は、対人間なので、リンカーンライムのシリーズとは一味違った楽しみ方が出来ました。勿論、キャサリン・ダンスが活躍する次の作品も絶対読みます。2011/02/21
カレイ.シュウ
72
リンカーンライムシリーズの姉妹編、容疑者仕草、言葉遣いから嘘を見抜き真実を探る女性分析官、キャサリン▪ダンスが主人公です。カルト集団のリーダーが脱獄し、それを捜査するダンスら警察との攻防が展開します。まあどんでん返しがお得意の作者なので、読む方も裏を疑ってしまいます。リンカーンシリーズとはまた違った趣きで新鮮でいいですね。子持ち未亡人で理知的だけど弱さもあるダンスのキャラがいいですね。2019/12/02