内容説明
とてつもなく愛らしく、けっこう残酷。女の子四人のこわくない「怪談」。危うい年頃のせつない心模様を描き尽くした傑作短篇集。
著者等紹介
藤野千夜[フジノチヤ]
1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒業。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年「おしゃべり怪談」で第20回野間文芸新人賞、2000年「夏の約束」で第122回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
20
中学生に勧められて読んだが、よく分からない・・・怪談というほどゾクッともしないし、幼心からくる危なげなさも伝わらない。2016/02/11
うーちゃん
18
「こわくない怪談」と帯に謳っているのが面白くて。10代という危うい年頃の少年少女たちの、ざわざわ、ひりひりするような日常を描いている。私が読んだものの中では綿矢りさ「インストール」に似た印象。収録作「アキちゃんの傘」の、パパの浮気に気がついているんだけど、ママに言うことも、パパに問い質すこともしない、その理由が"ママを傷つけたくない"とか"家族が壊れるのが怖い"とかじゃなく、ただ"面倒くさい"から、という、中1のノエの姿が、衝撃的でもあり、反面、13歳女子の心情をうまくとらえているなあと感じた。2015/08/03
さわこ
12
あまりぱっとしなかったなあ。「危うい年頃の心模様」は確かに描けているかもしれないけど、なんとなく物足りない感じ。でも他の藤野作品も読みたい。 ★★☆☆☆2020/08/27
こだま
10
藤野千夜さん初読み。少年少女が主人公の短編集です。怪談というのでホラーかと思いきや、不安定な時期の心の揺れが描かれています。2019/03/16
ニョンブーチョッパー
8
★★☆☆☆ どなたかの感想でもあったが、言うほど「怪談」でもないし、オビのイラストほどかわいい内容でもない。どうにも自分にはピンとは来ず、今の若者にはこういうのがしっくり来るのだろうかと思った次第(とはいえ初出は15年くらい前だけど)。pixivで装画のTivさんのページを見たところ、どのイラストもかわいらしい。アニメで見ていた『政宗くんのリベンジ』もTivさんの作画で、さらに『政宗くんのリベンジ』の原作は小説ではなかったのだと知れたことが今回の収穫。2020/05/10