内容説明
室町末期の、貧乏公家の山科言継と家来の大沢掃部助が悩める男たちのために大活躍!?あちこちの揉め事に首を突っ込むが、事態はますますややこしいことに。傑作ユーモア時代小説。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年、岐阜県に生まれる。一橋大学卒業後、電機メーカーに勤務。小説現代新人賞、歴史群像大賞を受賞後2003年に『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞を受賞し作家生活に入る。同年、『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
48
面白かったです。山科卿に関わる人々の短編集でした。独特のユーモアがあり、どっぷり浸ってしまいます。笑いを堪えるのも大変でしたね。2022/06/13
藤枝梅安
31
室町末期の物語。貧乏公家・山科言継の家来・大沢掃部助があちこちの揉め事に首を突っ込み、解決したようなしないような、という微妙な結末の5編をまとめたもの。とりあえず当面の問題は解決しても、結局次の不安や困窮が待っているという、哀しくも可笑しな物語。「戦国連歌師」に関連する話も出てくる。2010/12/01
mapion
20
室町時代の末、戦国時代が始まり公家は武士に押さえつけられ生活は苦しくなるばかり。そんな頃のお話。戦国武将の話では出てこないような話題ばかりが、ユーモアを交えて語られる連作短編5編。一番好きなのは陰陽師の話。魔術師でも超能力者でもない普通の人間が、病祓いや竈のお祓いなどを家業として銭をもらいながらこなしていく。人気商売なのに結果を出していないから、信用が薄く人気が出ない。儲からないから従業員の大量解雇で残ったのはひとりだけ。もうやめようかななんて考えたりしています。そんなどん底からどうやって抜けだす?2025/03/24
きいろ
14
短編集。通勤中に読んで、くすっと笑っちゃうような内容。みんな一所懸命なんだけど、そこが妙に可笑しい。掃部介がいい味出してて、憎めないキャラなところも好き。2014/10/23
ぬらりひょん
14
お初の作家さん。陰陽師とタイトルにあるけど、主人公はどうも大沢掃部助らしい。公家が主役の時代小説ってあんまりないし、なかなかおもしろいんじゃないの?『鞠を高く蹴りあげよ』 がよかったかな。蹴鞠のルールなんてものがあるんだね~。2014/07/09