内容説明
沈黙の淵に身を沈めながら、唯一信じる“親”のために人を殺し続ける男。その貌は、聖者に似ていた。「主はあなたをお救いになります」「私は神を信じません」神よ、男はどこへゆこうとしているのか?神とは、救いとは伊集院文学の最高峰。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラ
22
任侠の世界、武美の人生を、親の代から終わりまで語ったというもの。羊のように澄んだ目だったのでしょう。ただ、辰三が本当に武美を大事に思っていたかは疑問が残る・・・。2014/04/26
ミカママ
8
うーん、壮大なスケールという構想だけはよくわかったんだけど、登場人物多過ぎ。根性のない私は途中で何度もくじけかけました。それとキリスト教をからめた部分がちょっと???からめる必要あったんでしょうかね。いずれにしても、武美の生き方は哀しすぎました。2012/07/15
ふう
8
「白夜行」を彷彿とさせた。思った以上に面白かった。ちょっと見直したぞ伊集院(読んだの初めてだけどw)。人間にはいろいろな面がある。でも武美は…いや武美にもあるんだよな。彼の生き方が日本の時代の流れともリンクして進んでいく物語。あれ、まさに「白夜行」w。読後は結構重いけど悪くはない。一応ミステリーとして読んだけどそうでなくてもグッとくるはず。食わず嫌いしないで読んで良かった。2008/05/19
らくだ
7
昭和初期から平成までの間、昭和のアウトロー(夜鷹、博徒、彫師等)達の視点で、一人の侠客の一生を描く。ヤクザ物の本なのに、妙に叙情的で女性受けもしそうな著者らしい、カッコイイ本(^^)。2014/08/25
財布にジャック
7
任侠物は苦手と思って読み始めたんですが、グッと来る内容で、一気読みしました。伊集院さんの小説初めて読みましたが、他の作品も読んでみたくなりました。2009/11/19