内容説明
“いまどき、まっとうな青春小説”がベストセラーになった頃、29歳の僕らは“最後の夏休み”に出かけた。シニカル&メロウな文學界新人賞受賞作。“来るべき作家たち”シリーズ第三弾。
著者等紹介
中山智幸[ナカヤマトモユキ]
1975年、鹿児島県鹿屋市生まれ。西南学院大学文学部卒業。2005年、「さりぎわの歩き方」で第101回文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっきん
10
2作品。自分は「長い名前」より「さりぎわの歩き方」の方が好き。2016/01/25
hiromura
6
「ペンギンのバタフライ」が良かったので探して読んでいる中山氏。文學界新人賞をとったデビュー作「さりぎわの歩き方」より2年後の「長い名前」のほうが好きだな。たぶん主人公が好きかどうかということなんだろうけど。2016/05/30
メデスキ
3
言葉(ex.カウンセラーは訳知り顔に「そうね」と頷き、手元の紙に短い言葉を書き付けていた。便利な言葉があるんだろう。僕たちのぜんぶを簡単にまとめてしまえる短い名前が)をボカす技巧を頻発していて、そこは一種のスタイルのように感じられて気に入った。が、インテリジェンスは成成明学程度に感じるから、「面白い」に挑まないとね。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
3
「さりぎわの歩き方」「長い名前」の二話。タイトルにもなっている「 さりぎわ・・」はタイトル負け。タイトルは良かったけど内容はもう一つ。期待した分だけちょっとガッカリ。「長い名前」の方が断然良かった。★★★2009/08/04
ぼっくん
2
長い名前との2編。『さりぎわ・・・』は、シェアオフィスで働く4人の失われた20年世代の若者の日常が描かれています。熱を帯びないけど、やる気がない訳ではないといった浮遊感を持つ作品でした。『長い名前』は、大学を卒業して就職した彼女と内定段階で会社が倒産してしまい喫茶店の雇われ店長をする主人公の話しで、自分が止まっている間に周りの人間は、知らない間に進んでしまっている焦りと諦念感を感じ、息苦しく感じました。この世代に直面した若者にしか実感を伴って感じられないのかなぁ。。。2016/05/03