内容説明
昭和八年。時代を見つめ謎に挑む令嬢と女性運転手。
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年、埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら、84年、創元推理文庫版日本探偵小説全集を編集部と共同編集。89年、「空飛ぶ馬」でデビュー。91年「夜の蝉」で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろいるか
87
ベッキーさんシリーズ第2弾。英子さん達の優雅な毎日は相変わらず素敵だけど、家柄を重んじるあまり自由に恋愛結婚など出来ない、そんな華族ならではの苦悩が垣間見られたり、『主義者』が『犯罪者』と同義であるという思想統制の影に、時代が暗闇へ進んでいくのを感じて緊張した。そしてベッキーさんの過去が玻璃の天から降り注ぐ光の前に図らずも明かされる。雅吉兄さんが登場すると、どこか呑気なそのキャラにホッとさせられる。2011/06/02
mint-s
49
図書館で何となく気になった本で、シリーズ物とは知らず2冊目を読んでしまいましたが楽しめました。時は昭和8年、女子学習院に通う花村家のお嬢様英子と運転手のベッキーさんこと別宮が謎解きをする三編の物語。食事はコックが作ってくれる、学校までは運転手付きの車、校内の挨拶はごきげんようなど別世界を覗いたようで面白かったけれど、少しずつ戦争に向かう不穏な空気が忍び寄ってくる気配も感じました。2018/05/15
星群
47
時代は昭和初期。当時の、生活を窺い知ることが出来て、興味深い。特に『幻の橋』に出てくる図書館。入るのに入場券が必要で、特別券を買うと借りられる冊数が増えるんだとか。『玻璃の天』で触れられる与謝野晶子の有名な『君死にたまふことなかれ』。ただ弟想いの『優しい姉』だと思ってたけど、戦地にいる弟の立場でみると、一転『怖い姉』となる考えに鳥肌がたった。華やかな生活の裏で、ちらつく暗い影が気掛かり。 2013/01/30
ぶんこ
41
昭和初期の上流階級の女性が、今の時代の女性より、しっかりと大人びていたのが、印象的でした。 ただベッキーさんを「別宮」と呼び捨てにする所だけは違和感有りありで困りました。 教養も才能も有る別宮さんが、何故お抱え運転手をしているのか? とても興味があります。 次が最終巻のようです。 楽しみにしています。2014/07/17
nyanco
41
う~ん、ドスンとハマりました。知らずにいたことが恥ずかしい、でもこれをスルーしなくて良かった!シリーズ楽しみに読みます。2009/04/29
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